目指せFSW 2分切り2018【1】S31フェアレディZを駆り「キタバン」に出入りし、FSWの「2分切り」を目指す！｜1977年式 日産 フェアレディZ

地元の小田原で果たした運命の出合いから、旧車スピードの世界にのめり込んでいった若きオーナー。
それまでつちかってきた価値観をひっくり返された後、ついに手に入れたS31フェアレディZ。
このS31Zをいかに速くできるか真剣に追求し、自らの頭と手を動かしてきた。
目指すは富士スピードウェイでの2分切り。夢の扉が開く瞬間は、もうすぐそこまで迫っている。

【1977年式 日産 フェアレディZ　Vol.1】

　サーキット走行を志す多くの旧車乗りにとって、富士スピードウェイでの「2分切り」は大きな目標だ。神奈川県小田原市に住むオーナーも、2018年の今、愛車のS31Zで夢の2分切りを目指している、ひとりのプライベーターだ。
　小田原といえば箱根や伊豆から近く、峠を攻める走り屋の文化が古くから根付いた土地柄。現在38歳のオーナーは、その中では若い世代にカウントされるオーナーだが、高校の友人から影響を受けて以来、ずっとクルマと走りが好きな青春時代を過ごしてきた。

　その頃、愛車として乗っていたのはR32スカイラインのタイプM。根が真面目で几帳面なことから、伊豆スカイラインなどを走る時には、どのコーナーで何km/h出たかをつぶさに記録し、チューニングや走りのスキルアップに役立てていたそうだ。

　そして20代も後半になったある時、オーナーにとって衝撃の出合いが待っていた。それはずっと以前から自宅の近所にあった「北村自動車鈑金塗装工業所」、通称「キタバン」の北村富士夫さんとの出合いである。オーナーが当時を回想してくれた。

「昔から、家の前の道を爆音で走る旧車がいることは分かっていたので、近所にお店があることもなんとなくは知っていました。今思えば『灯台下暗し』ですけど、当時はなんかすごいクルマが出入りしているなあくらいにしか思っていなくて（笑）。その頃から旧車は好きでしたし、いつかは乗ってみたいと思っていましたけど、決して速い乗り物だとも思っていなかったんですよね。でもある時、北村さん主催の走行会にたまたま参加してみたら、そこに集まっていた旧車が、もうとにかく速くて（笑）。すっかり世界観が変わってしまうくらい衝撃を受けました」


>>【画像27枚】スピリットガレージ製をベースに少しオリジナルの加工を施して装着されたステンレスマフラーなど。大径の1本出しテールが力強さを感じさせる




>> Gノーズとワークスタイプ改フロントスポイラー、FRPボンネットを装備。ボディはグランプリレッドで再塗装した。






>> 亀有のショックアブソーバーとクラフトのスプリングを組み合わせてローダウン。





>> 2012年と2015年に富士スピードウェイで開催されたレース形式の大型走行会「約束の日」にも参加。タイム更新とともに、思い出も増えていく。

1977年式 日産 フェアレディZ（S31）

SPECIFICATION　諸元
■エクステリア:FRPボンネット/Gノーズ/ワークスタイプフロントスポイラー改/ワイドフェンダー/グランプリレッド
■エンジン:L28型改3.0L仕様、イスキー製78度カム
■吸気系:ウエーバー45DCOE
■排気系:φ48mm等長タコ足、スピリットガレージ製マフラー改
■点火系:MDI
■冷却系:銅製三層ラジエーター、セトラブ製34段オイルクーラー
■燃料系:FJ型用ポンプ
■駆動系:OS技研製ツインクラッチ、亀有製FS5C71Bクロスギア、LSD（ファイナルギア3.9）
■サスペンション:亀有製ショックアブソーバー、クラフトスプリング（前後10kg/mm）、前後タワーバー
■ブレーキ:（F）ブレンボ製φ280mmブレーキ、（R）HR30スカイライン用、冷却ダクト
■インテリア:ラムコ製タコメーター、大森メーター製メーター（水温、油温、油圧）、ブリッド製ローマックスバケットシート、サベルト製ハーネス、ワークスベル製ステアリングボス、ロールケージ
■タイヤ:ヨコハマ アドバンA050 （F）205/50R15 （R）225/50R15
■ホイール:RSワタナベRタイプ （F）15×8.5J （R）15×9.5J




【2】に続く

初出：ノスタルジックスピード 2018年11月号 vol.018
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1977年式 日産 フェアレディZ（全5記事）

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