西部警察|ジャンプ&爆破! アクションシーンは派手になり、カースタントも増加|派手なカーチェイスが代名詞、刑事ドラマ黄金時代 Vol.3

1979年10月から放送された「西部警察」で活躍したクルマたち(ベース車両)

       
隊列を組んだ何十台ものパトカー、猛スピードの追跡、響くスキール音、華麗に宙を舞った後のド派手なクラッシュ、そして爆発、炎上……。
今では考えられないCGなしのアクションはいまだに色褪せない。刑事ドラマ黄金時代のドラマをベース車両とともに紹介する。

【派手なカーチェイスが代名詞、刑事ドラマ黄金時代 Vol.3】

【2】から続く

 石原プロモーションはクルマ好きの期待に答えてくれたが、痛快なアクションシーンは「太陽にほえろ!」だけで終わっていない。それまでのノウハウを駆使して、さらに派手なカーアクションシーンを盛り込んだ刑事ものドラマを準備していたのである。それがテレビ朝日系列で放送され、大ヒットした「西部警察」だ。最初の放送は1979年10月で、自動車業界がターボ戦略に打って出る時期だった。「大都会」シリーズのキャスティングを受け継ぎ、ハードアクションはさらに過激になっている。また、アクションシーンは派手になり、カースタントや爆破シーンにも多くの時間を割くようになった。

 クルマ好きにとって最大の魅力は、旬の日産車が登場し、主人公とともに活躍することだろう。番組スポンサーが日産だったこともあり、画面の中は日産車のオンパレードだ。C211スカイラインのジャパンターボやS130フェアレディ280Zなどが派手なカーアクションを披露している。S110ガゼールもこの番組に出演してメジャーになったスポーツクーペだ。登場するシーンは少なかったが、ドラマのために作られたガゼールのコンバーチブルは憧れの的だった。

 スカイラインも数多く登場し、ファン層を広げた。ジャパンに続き、西部警察パートⅡでは後継のR30スカイラインRSが登場している。赤と黒、2トーンのボディカラーをまとったマシンRSはスーパーZとともに主役を演じた。犯人が逃走用に使う車両も、西部警察では脇役ではない。その多くはC230とC330セドリック/グロリアだ。派手なスキール音を響かせ、スピンターンしたりジャンプしたりして視聴者の目を楽しませてくれた。

>>【画像14枚】あぶない刑事:「あぶデカ」を象徴するレパード。第1シリーズはこのゴールド2トーンのアルティマを使用。ユージとタカが乗ることが多かったF31 レパードなど



西部警察

 1979年10月〜1984年10月までの5年間に渡り放送された大人気アクション刑事ドラマ。パートⅠからパートⅢまで全235話のなかで名物のひとつが日本全国縦断ロケ。第1弾の静岡編や路面電車を爆発した広島編をはじめ、仙台編、福岡編など、今でも語られる名シーンを数々生み出した。この地方ロケ現場には地元のファンが詰めかけたそうだ。ちなみに、一説には「もう爆破できるところがない」ことがドラマ終了の理由だとか。

S130 FAIRLADY Z


2代目大門団長車がS130ベースのスーパーZ。ベースは280Z Tバールーフ 2by2。当然、ベース車にガルウイングはない。

DR30 SKYLINE


ドラマでは前期モデルのみ使用されたDR30。登場車種のうちレプリカ車がもっとも多い車種でもあり、ハチマル車人気No.1だ。

C210 SKYLINE


初の大門団長専用車として用意されたのがスカイラインジャパンで、パートⅠの第45話に登場。超高性能車に仕立てられた。

S110 GAZELLE


このドラマのためだけにルーフをカットしてオープン仕様が作られたガゼール。ベース車は2ドアとハッチバックの2タイプを設定。

160 SAFARI


科学特捜隊っぽいスタイルのボディには、毎分2.9トンを放水可能な高圧2連装放水銃や超高性能レーダーを装備した。


初出:ハチマルヒーロー 2015年 09月号 vol.31
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

派手なカーチェイスが代名詞、刑事ドラマ黄金時代(全4記事)

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【1】【2】から続く

text : HIDEAKI KATAOKA / 片岡英明

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