昭和50年、昭和51年排ガス規制と次々に施行される排ガス規制の中、最上級オーナーカーとして登場したFタイプ|1978年式 日産 グロリア 4ドア ハードトップ Fタイプ 2000 SGL-E Vol.2

オドメーターの距離はわずか1365km。

       
大ヒットした230系から信頼性の高いメカニズムを受け継ぎ、ファッション感覚も研ぎすまし、
今も人気の高い330系セドリック/グロリア。デビューから40年以上を経ているが、珠玉の1台が発見された。
新車時の雰囲気をそのままに、驚異の美しさと極上のメカニズムのグロリアを紹介しよう。

【1978年式 日産 グロリア 4ドア ハードトップ Fタイプ 2000 SGL-E Vol.2】

【1】から続く

 エンジンは直列6気筒SOHCのL型系で、すべて昭和50年排ガス規制にパスしたNAPS仕様。フラッグシップは2753ccのL28型エンジンが搭載された。デビュー時はキャブレター仕様だけだったが、10月にL20型エンジンに電子制御燃料噴射装置のEGIを装着したL20E型を追加した。

 トランスミッションは、3速ATが主役だが、5速MTも選べる。サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン・コイル、リアはリーフスプリングによるリジッドアクスルだ。

 発売から1年後の1976年6月、セドリックとグロリアはエンジンに改良を加え、昭和51年排ガス対策車となった。このとき最上級オーナーカーとして4ドアハードトップに設定したのが「Fタイプ」だ。Fはファッショナブル&ファンシーの意味である。アメリカで流行している角型ヘッドライトを採用し、ホイールカバーはボディカラーと同色とした。Fのエンブレムも付く。

>>【画像27枚】Fタイプ用となるボディカラーと同色のホイールカバーなど



当時の日産車の定番である水平基調のインパネを採用し、クラッシュパッドの中に多くのメーターを散りばめた。ステアリングは、初期型は3本スポークだが、この時期は大きなセンターパッドが付く4本スポークタイプ。



 

メーターは大小の6連を採用する。





ステアリングの右下には、電動リモコンミラーなどのスイッチが並ぶ。ヘッドライトスイッチには新車時の説明用の紙片が残っていた。





天井には、前席から後席へ続くオーバーヘッドコンソールを装備。旅客機を思わせる演出で、心ときめかせるオーナーも多かった。



1978年式 日産 グロリア 4ドア ハードトップ Fタイプ 2000 SGL-E(C-331)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4690mm
全幅 1690mm
全高 1430mm
ホイールベース 2690mm
トレッド前/後 1385 / 1380mm
最低地上高 185mm
室内長 1840mm
室内幅 1420mm
室内高 1130mm
車両重量 1455kg
乗車定員 5名
登坂能力 tanθ0.40
最小回転半径 5.5m
エンジン型式 L20E型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 1998cc
ボア×ストローク 78×69.7mm
圧縮比 8:1
最高出力 130ps / 6000rpm
最大トルク 17.0kg-m / 4400rpm
トランスミッション 前進5段後退 1段
変速比 1速 3.321 / 2速 2.077 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.864 / 後退 3.382
最終減速比 4.625
燃料タンク容量 67L
ステアリング形式 リサーキュレーティング式ボール型
サスペンション 前/後独立懸架ダブルウイッシュボーン・ボールジョイント式 / リジットアクスル
ブレーキ 前/後ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ 前後とも6.95-14-4PR
発売当時価格 204.4万円


【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年6月号 vol.181
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1978年式 日産 グロリア 4ドア ハードトップ Fタイプ 2000 SGL-E(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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