AW11ベースで550万円。ウワサとは異なり「エンブレムさえ外せば問題ない」とフェラーリ社|1989年式 EVA E20 Vol.2

メーターはタコメーター、スピードメーターをはじめサブメーターまですべてオートゲージ製に交換。コクピットの印象を大きく変えている。

       
【1989年式 EVA E20 Vol.2】

【1】から続く

 E20を製作した会社は過去にもSA22Cベースでコルベットレプリカの「コルベッティー」を製作。完成車を当時GM傘下だったシボレーに送ったところ大絶賛され、メーカーの公認車両と認められた実績を持っている。E20も同じように2台生産した時点でフィアット傘下に収まったばかりのフェラーリ社に送ったところ「フェラーリのエンブレムさえ外せば問題ない」との回答を得た。ネットの情報サイトを中心に「フェラーリから訴えられ、2台生産した時点で金型ごと持っていかれ会社は解散した」というウワサが広がっているが、実際には5台存在していたことが確認されており、現在でも3台が実動している。

 当時550万円という価格はAW11ベースのスポーツカーとしては破格。R32GT‐R、80スープラ、FD RX‐7などと比較しても高く、バブルも崩壊していたため、実際には市場を無視した設定が倒産する原因だったのではないかと想像できる。


>>【画像26枚】オリジナルと同じ位置に装着されたエンブレムやステッカーなど



ステアリングはatc RA COMPETITIONディープコーン。ホーンボタンは跳ね馬のフェラーリエンブレムを装着。インパネの基本的な形状はAW11のままだが、各所にモディファイが加えられている。ちなみにライトスイッチはオーディオミニコンポの音量ボタンに変更。ボルトオンできたという。また助手席のグローブボックスはフタが外され、使い勝手のいい物入れに。





センターコンソールのエアコントロールパネルの下にはオーディオではなく、左から水温、電圧、燃料の3つのサブメーターが装着されている。シフトノブはフェラーリイメージのアルミ製球体型に変更。



ボンネットは当然ながら前ヒンジで、ノーズボディ全体が開く。このため整備性がよく、特に足回りの整備に効力を発揮。ちなみにリトラクタブルライトはフレーム側に残る。これは512 BBまでのフェラーリの機構。F40ではカウルにリトラが付くようになった。ボンネットを開くたびにボディとリトラの位置がズレ、干渉てしまうためだ。

【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 07月号 vol.30
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1989年式 EVA E20(全3記事)


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【1】から続く

text : HACHIMARU HERO/編集部 photo : YOSHITAKA TAKAHARA/高原義卓

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