ローレンジ、アクセル全開で館長に押し負けた「クーペちゃん」|マツダ R360 クーペ Vol.2|珍車秘宝館

楽しそうに4名乗車に挑戦する館長のお仲間たち。このままラーメン屋に行ったとか……。

       
「珍車秘宝館」は、国産車や輸入車はもちろん、クルマにまつわる激レア品や珍品、摩訶不思議なパーツなどにもスポットを当てるマニアックなコーナーで、館長の貴重な体験やコレクションなども合わせて紹介していく。今回は、マツダ初の乗用車となったR360クーペとトルコン式ATミッションに注目! 

【マツダ R360 クーペ Vol.2】

【1】から続く

「車体はフルレストアされているようでキレイでしたが、エンジンや駆動系がイマイチ。ガレージに来た日に、奥さまが近所を走ってみたいと意気込んで乗り込み、試走したんですが、敷地から出ることができません。エンジンが非力なのとトルコンが滑っていました」と館長。そこで、試しにということで、ローレンジに入れてもらってアクセル全開。館長自身が外からフロントバンパーを押したところ、館長の力の方が強く、場外まで押し出しちゃったそうだ。

 また、4名乗車を試したところ、平地でも発進できない状態。これがさらに館長をヤル気にさせることになる。
「エンジン本体は大丈夫でしたが、キャブと電磁ポンプは分解して調整しました。それと、点火系も不安だったので、フルトラを取り付けました。純正デスビはとても小さいのですが、コンパクトなモジュールがあって、うまく純正デスビの中に組み込むことができたんです。エンジンは抜群に調子がよくなり、まるでポップコーンがはじけるような感じになりました」と館長。

 
>>【画像22枚】研究(修理?)のため、ボディの下に潜り込んで作業する館長など。独創的な改良の成果もあって、最高速85km/hのカタログスペック通りに走れるようになったそう

トルクコンバーター



写真の右側がトルクコンバーター、トルコンブレーキ、ワンウェイクラッチが組み込まれているユニット。左側が、デフとミッション部。ケースは軽量化のためにマグネシウム製が採用されている。





トルコン部を分解したところ、鋳造製と判明。ポンプがエンジンからの動力を受けて回転し、オートマフルードを介してタービンを回しミッションに動力を伝える。ステーターは、エンジン回転が速くなるど回転し、トルクを増幅させる。

ワンウェイクラッチ



トルコンとミッションの間にあるワンウェイクラッチ。





ワンウェイの作動に重要なローラー部分が摩耗し、きちんと機能していなかった。そこで、ローラーベアリングを片っ端からバラシ、サイズを測定し、合うローラーを発見。シフトチェンジが軽くできるようになった。


【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年10月号 vol.177(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

マツダ R360 クーペ(全3記事)

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【1】から続く

photo & text :珍車秘宝館 館長

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