カローラとサニーを抑えナンバーワン! 爆発的ヒットの中で生まれたボーイズレーサー文化|1981年式 マツダ ファミリア 1500 3ドア ハッチバック XG

リアスポイラーはエアロブランドのトリノ製を装着。3分割されているのが人気で、当時は一体型もあったそうだ。マフラーはトラストの4本出しで迫力満点。「323」のリアガーニッシュはラブラーク製。

       
【1981年式 マツダ ファミリア 1500 3ドア ハッチバック XG Vol.2】

【1】から続く

 栄えある第1回日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した5代目BDファミリア。

 販売面でもBDファミリアの快進撃は凄まじく、1982年に3回、1983年に5回の計8回、トヨタ・カローラと日産・サニーという国産小型車を代表する巨頭を抑え、国内市場ナンバーワンの月間販売実績を上げた。その原動力となったXGは、電動サンルーフを標準装備したこともあり、売れに売れた。「赤のXG」は人気の的となり、若者を中心にブームとなるほどだった。また、1983年6月には走り好きファンの期待に応えて、1.5Lターボエンジンを搭載するXGターボとXG‐Rも追加。人気に拍車をかけた。

 爆発的にヒットしただけあり、BDファミリアにはさまざまな文化が生まれた。そのひとつがボーイズレーサーだ。エアロパーツでドレスアップされたボディを作り上げるのがトレンドとなり、エアロパーツのトータルチューンをいち早く取り入れたウッドベルのトリノや、高い人気と迫力のスタイルが特徴の関西スポーツのラブラーク、アグレッシブなスタイルが特徴のオマーズのシティスポーツ、セクシーファミリアをうたったオノヨコハマなど、数々のエアロキットが各メーカーから販売された。このブランド名に懐かしさを覚える読者の皆さんも多いことだろう。写真を見てもお分かりのように、ここに登場するファミリアは、当時のボーイズレーサーを具現化した一台だ。

>>【画像20枚】アルミホイールはレイズのスーパーボルクレーシング・セブリングメッシュ。サスペンションは前ジール、後マツダスピードの車高調でローダウン。ラブラークにはないダブルスリット入りを装着したフロント・フェンダーなど



ステアリングはイタルボランテ。形状は違うが、ファミリア誕生20周年記念で発売された限定車、スポルトヨーロッパにも同ブランドのステアリングが装備されていたことからチョイス。





オーディオのヘッドユニットはパイオニアのロンサムカーボーイ。純正オプションのフルユニットは当時で23万円以上もした高級品だ。追加メーターはタカマコンペティションプロダクトのチェックマンで、水温、油温、油圧、電圧計が並ぶ。





フロントシートはレカロのTSを装着。ステアリング同様、限定車のスポルトヨーロッパに装備されていたレカロシートと似たデザインをチョイス。


1981年式 マツダ ファミリア 1500 3ドア ハッチバック XG(BD1051)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3955×1630×1375
ホイールベース(mm) 2365
トレッド前/後(mm) 1390 / 1395
車両重量(kg) 820
エンジン型式 E5型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1490
ボア×ストローク(mm) 77.0×80.0
圧縮比 9.0:1
最高出力(ps / rpm) 85 / 5500
最大トルク(kg-m / rpm) 12.3 / 3500
変速比 1速 3.416 / 2速 1.947 / 3速 1.290 / 4速 0.918 / 5速 0.775 / 後退 3.214
最終減速比 3.850
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ディスク / リーディング&トレーリング
タイヤ 175 / 70SR13(前後とも)
発売当時価格 103.8万円

【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 05月号 vol.29(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1981年式 マツダ ファミリア 1500 3ドア ハッチバック XG(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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