S130Z流用の足まわり「このクルマを手に入れて以降、ほんとうに人との出会いが増えました」|1969年式 日産 ブルーバード 1600 デラックス

ホイール、チンスポ、足まわり。スタイリングにもこだわりがある。

       
格下モデル。ブルやサニーをそう見る向きがある。確かに車格的にはそうかもしれない。ただ、速さとなるとそうとも言い切れない。例えばこのSR20DET型の強心臓を持つ510ブル。その豪快な加速っぷり、「誰でもかかってこい」といわんばかりだ。

【1969年式 日産 ブルーバード 1600 デラックス  Vol.3】

【2】から続く

 さて、この510ブル、普段はお店のファクトリーや店頭に置いてあって、これがお客さんたちの間で評判となっている。今ではもう、ショップの看板犬や猫ならぬ看板車、キャラクター的存在だ。そんな予期せぬ宣伝効果に、成子さんのこの510への愛情は深まるばかりだ。
「このクルマを手に入れて以降、ほんとうに人との出会いが増えました。同じ京都のブル仲間はもちろん、旧車仲間との交流も増えて、新しい知り合いがどんどんできている。本当に手に入れてよかったです」と成子さん。

 当初抱いていた「まずはこのクルマから」という気持ちはもう微塵もない。気になるところはしっかり修理。そしていつの日かタービンを大型化して一段と凶暴なブルに仕立てたいと話す


>>【画像30枚】S130Zのストラットを流用する足まわりは、有り余るパワーを確実に路面に伝えられるようリセッティング。ショックをTRDのショートタイプに交換してトラクションの向上を図る。S130Z用の純正で、パッドとスリットローターはディクセル製で強化したブレーキキャリパーなど
 
OWNER’S  VOICE



 7年前にオープンさせたタイヤショップの経営が軌道に乗るのを待って、念願だった旧車オーナーとなった成子義一さん。当初買ったことを話せずにいた奥さまも、今は公認。三男坊にいたっては、この510を将来の我が愛車と決めている。走り込むほどに、前オーナーの心意気や注ぎ込んだ愛情がひしひしと伝わってくるというモンスター510ブル。「ほんとうにいいクルマに出合えました。コイツのおかげで人とのつながりが増えに増えた。手放すことはないと思います」。



SHOP INFO/タイヤにホイール。新旧問わず足まわりのカスタムはおまかせ


長年勤めたタイヤショップから独立。成子さんが7年前(取材当時)にオープンさせたタイヤショップ「アクセル」。少しでもリーズナブルな価格で販売できるように、人は雇わずひとりで切り盛りする。タイヤだけでなくホイールセッティングのノウハウも一級品だ。


日々の多忙さの中で身につけたタイヤ交換のスピードは驚異のレベル。顧客にはシーズンオフ時のスタッドレス預かりサービスを行うほどの親切ショップだ。


1969年式 日産 ブルーバード 1600 デラックス (P510)
SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:BREタイプフロントスポイラー、グレイストン製ボンネットピン、ドアミラー、オールペイント
■エンジン:SR20DET型換装、IHI製パワータービン、グレッディ製サージタンク
■吸気系:HKS製エアクリーナー、トラスト製ブローオフバルブ、サード製インジェクター(550cc)
■排気系:オールステンレスφ43mmワンオフタコ足+中間ストレート+φ115mm砲弾マフラー
■燃料系:ニスモ製R32GT-R用燃料ポンプ
■点火系:トラスト イリジウムレーシングプラグ
■制御:グレッディ製Profec B-specⅡ、アペックス製パワーFC
■冷却系:ラジエーター&電動ファン(リア移植)、トラスト製インタークーラー、オイルクーラー
■駆動系:OS技研製クラッチ、RB用71Bミッション、ニスモ製強化ミッションマウント、R180LSD
■サスペンション:(F)S130Z用ストラット加工、TRD製ショートショック(5段調整)、スイフト製スプリング(12kg/mm) (R)TRD製ショック(8段調整)、ダウンサス
■ブレーキ:(F)S130Z用純正キャリパー、ディクセル製スリットローター&パッド
■インテリア:コブラ製ローバックシート、ピボット製ブースト/水温/油温/スピード計、ダッツンコンペステアリング(当時モノ)、パナソニック製カーナビ
■タイヤ:ダンロップLM703 (F/R)195/45R15
■ホイール:ワーク エクイップ40 (F)15×7.5J -9 (R)15×9J -6
■その他:LEDテール(アクセル点灯)

初出:ノスタルジックスピード 2017年11月号 vol.014(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 日産 ブルーバード 1600 デラックス (全3記事)

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【1】【2】から続く

text:ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo:RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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