L28型改3.1L仕様から、RB26型ヘッドの「RB30型改」ユニットへ|1974年式 日産スカイライン HT 2000 GT

GT-R用グリルやエンブレムも日産純正品を使用。雨天の使用は避けているというだけあり、メッキバンパーもまったくくすんでいない。

       
旧車乗りが求めるスタイルはさまざま。
絶対的な速さを求めるオーナーもいれば、オリジナル主義のオーナーもいる。
ここで紹介するケンメリGT-R仕様のオーナーは、ストリートでの扱いやすさと爽快なキャブサウンドを追い求めた。
そのため、エンジンルームに積み込まれたのはDOHCヘッド仕様のRB30型ユニット。
異色のスワップチューンドを紹介しよう。

【1974年式 日産スカイライン HT 2000 GT Vol.1】

 1972年に登場した4代目スカイライン。ケンとメリーが登場するCMから、「ケンメリ」の愛称で親しまれたこのモデルは、丸形4灯のテールライトや独自のサーフィンラインを採用し、今でも絶大な人気を集めている。

 その一方で、S20型を搭載したケンメリGT-Rはオイルショックの影響で、わずか4カ月で生産中止に追い込まれるなど、時代の逆風を受けた。

 そんなケンメリを駆るのは、根っからの日産党で昔からスカイラインが好きという福島県のYさん。10年前に入手したこのケンメリをフルレストア。L28型改3.1L仕様のフルチューンで楽しんでいたが、よりトルクフルで扱いやすいクルマに仕上げるべく、3年前にエンジンスワップに着手した。

>>【画像34枚】RB30型ブロックにRB26型のDOHCヘッドをドッキング。スケルトンカバー越しに調整式の東名パワード製カムプーリーが見えるエンジンなど

「ケンメリはハコスカよりも車重があるので、それをカバーする目的もありRB30型に換装しています。海外向けに生産されたこのエンジンはロングストローク仕様で、トルクフルな特性。L型よりブロック強度が高まっているのも魅力です」と語るのは、エンジン製作を手がけた「アール・ファクトリー」の相原達也代表。



RB30型改DOHCヘッドを搭載 快速ケンメリGT-R仕様! 





マフラーもアール・ファクトリー製。メインφ76.3mmと十分な容量を備える。





ボディは10年前にフルレストアを実施しているだけあり、美しいコンディションを保つ。



1974年式 日産スカイライン HT 2000 GT(KGC110)
SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:ボディフルレストア、純正GT-R用前後オーバーフェンダー/フロントグリル/リアガーニッシュ/リアスポイラー/白ガラス/エンブレム、ベロフ製HIDライト
■エンジン:RB30型換装(φ86mm×75mm)、圧縮比11.0:1、288度ハイカム、強化バルブスプリング、アール・ファクトリー製鍛造ピストン、RB25ヘッド流用、強化バルブスプリング、ポート研摩、燃焼室加工、ヘッド面研、東名パワード製カムプーリー、オイルキャッチタンク
■吸排気系:ソレックス44PHH、アール・ファクトリー製φ45mmタコ足/ワンオフインマニ/φ76.3mmマフラー
■点火系:クランク角センサー内にデスビ移植、和光テクニカル・スーパーZコイル/フルトラLA-700FX
■冷却系:アルミラジエーター、オイルクーラー
■燃料系:ASW製燃料ポンプ
■駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、71Bクロスミッション、LSD
■ブレーキ: (F)R32タイプM用キャリパー (R)純正ディスクブレーキ
■インテリア:亀有製追加メーター(水温、油温、燃圧)、大森製追加メーター(油圧)、エアコン、NAVIAカーナビ、ケンウッド製ヘッドユニット、ブリッド製バケットシート(2脚)、HPI製ハーネス、パワーステアリング移植
■タイヤ:ファルケン (F)225/50R15 (R)245/50R15
■ホイール:RSワタナベ(F)15×9.0J -15 (R)15×10J -15


【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2017年11月号 vol.014(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 日産スカイライン HT 2000 GT(全3記事)

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text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

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