ライバル・ハコスカ用のリアサスをごっそり移植 !? トラクション性能を高めた正常進化版|1976年式 マツダ サバンナ GT

このマシンの真骨頂といえるオーバーフェンダーは鉄板加工で製作したワンオフ品。タイヤハウス内までキッチリと仕上げる。

       
往年の名レースを彩った珠玉のレーシングカー。
その雄姿を再現することに意欲を注ぐ旧車乗りも多い。
このコーナーではそんなレプリカ仕様に注目。
第1回は片山ワークスカラーで彩ったサバンナGTの登場だ!

【1976年式 マツダ サバンナ GT Vol.3】

【2】から続く 

 この「片山レプリカ」の特筆すべき部分の一つが足まわり。なんと当時のレースでもサバンナの弱点といわれたリジット式のリアサスペンションを独立懸架式へと変更しているのだ。

「エンジンのレスポンスが鋭いこともあり、ホーシング式のRX-3のリアサスでは対応しきれないと判断しました。そこで、ハコスカからリアの足まわりやメンバー、デフキャリアまでごっそり移植しています」とオーナー。



 ただし、これを実現するのはたやすいことではない。メンバーやデフキャリアを移植するにあたり、邪魔になる燃料タンクは移設したうえで、ハコスカのメンバー取り付け部分をフロアパネルごとボディに溶接するという大手術を実施。そうした苦労の甲斐もあって、サーキットでも安心してアクセルを踏み込めるトラクション性能を手に入れた。

>>【画像28枚】最大のトピックとなる、ハコスカの独立懸架式サスペンションを移植することで、リアタイヤにキャンバーが付いている後ろ姿など




 また、フロントサスペンションにはSA22C用のストラットを流用したうえで、テンションロッドを追加。リアブレーキにはS13シルビア用を移植して4輪ディスクブレーキ化を果たすなど、細部まで妥協なく作り込まれている。

【4】に続く 


1976年式 マツダ サバンナ GT(S124)
Specifications 主要諸元表
■エクステリア:1974年片山レーシング 片山義美仕様レプリカカラー、
ワークス仕様チンスポイラー/前後オーバーフェンダー、ダックテール
■エンジン:13B型換装、ブリッジポート加工、ウエーバー48IDAダウンドラフト、
ホーリー製燃料ポンプ×3、燃圧レギュレーター
■電気系:和光テクニカル製CDI/イグニッションコイル
■吸排気系:ERC製タコ足/メインφ70mm中間パイプ
■冷却系:FC3S用オイルクーラー、ラジエーターコア増し加工
■駆動系:FC3S用純正5速MT流用、OS技研製強化クラッチ、
ワンオフプロペラシャフト、R180LSD(ファイナル4.1)
■サスペンション:(F)SA22Cターボ用ストラット流用、ビルズ製別タンク式車高調、
テンションロッド追加 (R)ハコスカ用リアメンバー&ロワアーム移植
■ブレーキ:(F)SA22C用キャリパー&ローター流用 (R)ディスクブレーキ化
■インテリア:MOMOステアリング、6点式ロールバー、バケットシート、
スパルコ製レーシングハーネス、大森製10000rpmメーター/水温計/
油温計/油圧計/負圧計/電圧計/燃料計、亀有製燃圧計
■タイヤ:TOYOプロクセスR1R (F)205/45R15 (R)225/45R15)
■ホイール:スターロードGLOWSTAR (F)15×9J (R)15×10J

初出:Nostalgic SPEED 2017年3月号 vol.012(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1976年式 マツダ サバンナ GT(全4記事) 

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photo : MOTOSUKE FUJI(I SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔

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