ボディは2台目、エンジンは1台目から「板金、塗装も自宅のガレージの中で行いました」|1966年式 マツダ ファミリア クーペ

新設計エンジン搭載のクーペ。

       
【1966年式 マツダ ファミリア クーペ Vol.4】

【3】から続く

 そして2台目は、2011年3月にネットオークションで落札。ボディはサビや腐りがあったものの、まだ良好な状態。しかしエンジンが不動だった。オーナーはボディは2台目、エンジンは1台目を使って仕上げることを決意。ボルト1本まですべて分解して、自らレストア作業を始めた。

「板金、塗装も自宅のガレージの中で行いました。約5年かけて、現在の状態まで仕上げました」

 生産されてから50年。クルマ全体から経年が適度に感じられる、とてもバランスのいい仕上がりで、オーナーのファミリアクーペに対する愛情の深さが、ひしひしと伝わってきたのだった。

▶▶▶【画像23枚】後のコスモスポーツ、ファミリアロータリークーペ、ルーチェロータリークーペに通じる、アルミ3本スポークのウッドステアリングが装着されるインストルメントパネルなど

OWNER’S VOICE/コスモスポーツ・レストアプロジェクトにも参加




 オーナーは、マツダ車両開発本部の嘱託社員として、今年のノスタルジック2デイズに展示したコスモスポーツ・レストアプロジェクトにも「現場監督」として参加したそうだ。クルマの構造や整備方法についても精通していることから、これからもマツダが保管している歴代の古いクルマのコンディション維持に、きっと力を貸してくださるはずだ。




2バレルツインキャブを装着。新設計の1L SOHCエンジンは、クラス最高の68psを発揮した。





アルミ製のシリンダーヘッドカバーと、ツインキャブであることをアピールするエアクリーナーケースが印象的な、エンジンルーム。




1966年式 マツダ ファミリア クーペ(MPA)
Specification 諸元
全長 3700mm
全幅 1465mm
全高 1345mm
ホイールベース 2190mm
トレッド前/後 1200 / 1190mm
最低地上高 160mm
室内長 147mm
室内幅 1250mm
室内高 1080mm
車両重量 790kg
乗車定員 5名
最高速度 145km / h
登坂能力 sinθ0.366
最小回転半径 4.4m
エンジン型式 PA型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 985cc
圧縮比 10.0:1
最高出力 68ps / 6500rpm
最大トルク 8.1kg-m / 4600rpm
変速機 前進 4段 / 後退 1段 前進フルシンクロメッシュ
変速比 1速 3.655 / 2速 2.185 / 3速 1.425 / 4速 1.000 / 後退 3.655
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 40L
ステアリング形式 ボールナット式
サスペンション前/後 独立懸架コイルバネ / 半楕円形板バネ
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.15-13-4PR
発売当時価格 64.8万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 6月号 Vol.175(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1966年式 マツダ ファミリア クーペ(全4記事)

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【3】から続く

photo:NOBUTAKA KOREMOTO/是本信高

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