優雅なスタイルで5人乗り! バン、セダンの後を受けて、1965年11月にクーペボディが追加。|1966年式 マツダ ファミリア クーペ

ファミリアクーペは、マツダの意欲作だった。当時の広報資料には「高速性能を重視し、スポーティーなムードを家族全員で楽しむことができるように設計された」と記してある。5人乗車を可能にしつつ、見事なバランスでクーペに仕立てたデザイン感覚は、今も色あせていない。とても完成度の高いフォルムを持っている。

       
【1966年式 マツダ ファミリア クーペ Vol.2】

【1】から続く

 初代ファミリアのバン、セダンの後を受けて、1965年11月に追加されたのが、ファミリアクーペだった。新設計の1L直列4気筒SOHC、PA型エンジンを搭載。2バレルツインキャブレターが組み合わされたスポーツユニットで、68 psのハイパワーを誇った。フロントにはディスクブレーキと高速走行時の安定性を向上させるアンチロールバーを装備。複動式ショックアブソーバーの採用など、メカニズムの充実ぶりも時代の最先端を走っていた。

 ボディデザインは、セダンのシルエットを生かした優雅でスポーティーなクーペスタイルでありながら、5人乗れる室内空間を確保していた。

▶▶▶【画像23枚】大人3人が座れる設計だが、タイヤハウスの張り出しもあり、少し窮屈かもしれない後部座席など



ホイールキャップは、貴重なオリジナルを装着。消耗品のタイヤは、155/80R13の標準サイズのラジアルを選択。



トランクリッドは外ヒンジで、給油口にはキー付きのキャップが付く。



トランクルームは深さも十分にある。取材車両のスペアタイヤは、当時物のバイアスが装着されていた。ラジオアンテナは電動昇降式。




1966年式 マツダ ファミリア クーペ(MPA)
Specification 諸元
全長 3700mm
全幅 1465mm
全高 1345mm
ホイールベース 2190mm
トレッド前/後 1200 / 1190mm
最低地上高 160mm
室内長 147mm
室内幅 1250mm
室内高 1080mm
車両重量 790kg
乗車定員 5名
最高速度 145km / h
登坂能力 sinθ0.366
最小回転半径 4.4m
エンジン型式 PA型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 985cc
圧縮比 10.0:1
最高出力 68ps / 6500rpm
最大トルク 8.1kg-m / 4600rpm
変速機 前進 4段 / 後退 1段 前進フルシンクロメッシュ
変速比 1速 3.655 / 2速 2.185 / 3速 1.425 / 4速 1.000 / 後退 3.655
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 40L
ステアリング形式 ボールナット式
サスペンション前/後 独立懸架コイルバネ / 半楕円形板バネ
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.15-13-4PR
発売当時価格 64.8万円

【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 6月号 Vol.175(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1966年式 マツダ ファミリア クーペ(全4記事)

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【1】から続く

photo:NOBUTAKA KOREMOTO/是本信高

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