ワンオーナー、コツコツと修理やカスタムを施してこのスタイルへ 〜2014〜|1984年式 ドカティ 900 MHR Vol.2

900MHRの最終仕様となるLツインエンジンは、セル式を採用したほか、シリンダーとライナーは一体成型となり、内壁はニカジルメッキが施されるなど、再設計が行われている。エンジンは15年ほど前にフルOH済みで、その際、ポート研磨、ホンダ製点火システムに変更するなどチューンナップ。また、小型のMFバッテリーの採用に合わせ、バッテリー台も加工済み。

       
【1984年式 ドカティ 900 MHR Vol.2】

【1】から続く

 今回紹介する900MHRは、84年式の通称「R1」と呼ばれるモデル。フレーム形式がそれまでの「DM900R」から「DM900R1」に変更されたことからR1と呼ばれるようになった。また、伝統のデスモドローミック機構を持つLツインエンジンが、キックスタートからエレクトリックスタート(セル式)になっているのが特徴。その他にも、細部にいたる変更が施されており、MHRの集大成となるモデルだ。

 オーナーは、1984年2月に購入。いわゆるワンオーナーで、30年かけてコツコツと修理やカスタムを施して現在のスタイルになったという。カスタムの内容としては、往年のイメージを残しつつ、カウル類の変更、フレーム加工、エンジンのチューンナップ、ブレーキ&足回りのアップグレード、ホイールの変更をはじめ、各部にチタンボルトを使うなど、細部までこだわって仕上げられている。また、コンディション維持も徹底していて、カウル類からタンク、前後ホイールなども取り外して清掃を行っているそうで、とても30年が経っているとは思えないほどピカピカの状態。エンジンも快調で、独特の乾いたサウンドを奏でている。

 購入から30年が経ち、走行距離は4万kmを超えたが、オーナーと900MHRはまだまだ現役で走り続ける。


▶▶▶【画像9枚】純正を穴空け加工したクラッチカバーや、ブリッツモータース製のNCRタイプのバックステップキットなど


OWNER’S VOICE


「イタリア車ですから色々トラブルはありましたが、直しつつ自分好みにカスタムしたらこうなった感じです」と赤松さん。また、フレームは純正のフルカウル仕様からハーフカウル仕様にする際、ステーなどを切り、ホイールと一緒にダイヤモンドコートをかけるなど、状態を維持するためのカスタムも実施している。



キャブはFCRφ39mmに変更。フロントはダウンドラフト、リアはホリゾンタルタイプで、普段はK&Nのエアクリーナーを装着している。





スイングアームはベルリッキ製のアルミ角形で、リアショックはオーリンズ製を装着。スプロケのワイヤーロックなどは、オーナーがプライヤーで巻いている。




1984年式 ドカティ 900 MHR
SPECIFICATIONS
全長×全幅(mm) 2220×699
ホイールベース(mm) 1499
シート高(mm) 800
エンジン型式・種類 DM860・空冷90度
L型2気筒SOHC
デスモドローミック2バルブ
総排気量(cc) 864
ボア×ストローク(mm) 86.0×74.4
圧縮比 9.3:1
最高出力(ps/rpm) 72/7800
最大トルク(kg-m) 8.8/5800
燃料供給装置 デロルトPHM40
クラッチ型式 乾式多板
ミッション 常時噛合式5速リターン
フロントサスペンション φ38mm マルゾッキ
リアサスペンション マルゾッキ デュアルショック
5段階調整式
ブレーキ前 280mmダブルディスク×
2ピストンキャリパー
ブレーキ後 280mmディスク×
2ピストンキャリパー
タイヤ前/後 100/90V18/
120/90V18
燃料タンク容量(L) 18
乾燥重量(kg) 198
乗車定員 2名
発売当時価格 152万円

初出:ハチマルヒーロー 2014年 08月号 vol.26(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1984年式 ドカティ 900 MHR(全2記事)

関連記事: ハチマルMOTO

関連記事: ドカティ

【1】から続く

photo : TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

RECOMMENDED

RELATED

RANKING