実走2万3600kmですが登録に苦労しました!|1964年式 ホンダ S600 Vol.3

白のボディと赤の内装が60年代のスポーツカーらしい雰囲気。フロントウインドー上部に装着されているのは、風の巻き込みを防ぐ純正のレフレクタートップ。これも今では貴重なパーツとなっている。

       
【1964年式 ホンダ S600 Vol.3】

【2】から続く

OWNER’S VOICE/実走2万3600kmですが、登録に苦労しました!  

富山県小矢部市で「小倉自動車工業」を営む小倉さん。丁寧なレストアには定評があり、これまで多数のクルマを仕上げている。

 


▶▶▶【画像23枚】内装と同じ赤で塗装した発売当時オプションだったハードトップなど


「コンテナに保管されていたので、風の通りが悪くて全体的に錆びていましたが、ボディの腐食はまったくなかったのが幸いです。ただし、エンジンルームがネズミの巣になっていたようで、ちょうど車台番号部分にネズミの糞尿が溜まっていて、そのせいで車台番号が判別できなくなっていました。そこで、何度もホンダさんにお願いして、なんとか証明書を発行してもらって登録することができました。それと、実走2万3600km、エンジンは調子良かったんで、開けるつもりはなかったのですが、エンジン内部のブランクのフタが抜けて水が回ってしまいました。ガッカリしつつもフルOHしたところ、エンジン音も静かになり、さらに調子よくなりました」と語ってくれた。



S500、S600、S800前期までは、独創的なチェーンドライブ方式が採用されていた。トレーリングアームのケースにバイクのようなチェーンドライブが組み込まれている。




スペアタイヤのスペースを確保するように、デフ、ドライブシャフト、チェーンドライブと駆動系がレイアウトされているのが分かる。





エキゾーストは、ミッションの下で4-2に集合する。リア側のデフ前にあるホームベース形状のものがマフラーのタイコ部分で、年式によって形状が異なる。


1964年式 ホンダ S600(AS285)
Specification 諸元
全長 3300mm
全幅 1430mm
全高 1200mm
ホイールベース 2000mm
トレッド前/後 1150 / 1128mm
最低地上高 160mm
室内長 840mm
室内幅 1195mm
室内高 935mm
車両重量 720kg
乗車定員 2名
最高速度 145km / h
0→400m加速 18.7秒
登坂能力sinθ 0.33
最小回転半径 4.3m
エンジン型式 AS285E型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 606cc
ボア×ストローク 54.5×65.0mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 57ps / 8500rpm
最大トルク 5.2kg-m / 5500rpm
トランスミッション型式 前進4段後退 1段シンクロメッシュ
変速比 1速 3.29 / 2速 2.19 / 3速 1.43 / 4速 1.091 / 後退 3.89
最終減速比 5.88
燃料タンク容量 25L
ステアリング形式 ラック&ピニオン(15.1)
サスペンション 前/後ダブルウイッシュボーン・トーションバー / トレーリングアーム・コイル
ブレーキ 前後ともリーディングトレーリング
タイヤ 前後とも5.20-13-4PR
発売当時価格 50.9万円


初出:Nostalgic Hero 2016年 4月号 vol.174(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1964年式 ホンダ S600(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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