「この美しいクラウンを不安なく乗れることのほうが大事です」希少な丸テールのクラウンセダンに、速さよりも信頼性優先で縦置き4気筒のハイメカツインカム換装|1964年式 トヨペット クラウン デラックス Vol.3

その日の気分に合わせて純正M型エンジン搭載のMS52ワゴンとの乗り比べを楽しむ、大のクラウンフリークだ。

       
古いクルマを古いままで乗る場合、いつ起きるか分からないトラブルやパーツの入手などに悩まされることがある。
それならば、速さや快適性のためではなく、信頼性を得るために高年式エンジンに載せ換えようという考え方も生まれてくる。
色褪せない高級感をにじませる1964年式クラウンも、その考え方に共感し、ハイメカツインカムエンジンへのアップデートを果たした。

【1964年式 トヨペット クラウン デラックス Vol.3】

【2】から続く

 同じトヨタの4気筒とはいえ、載せ換えにあたってはマウントの作り直し、他車用ラジエーター&プロペラシャフトの流用、純正メーターとの接続など、「それなりに大変でした」と、ケンオートモービルの福田賢一郎さんは製作当時を振り返ってくれた。

 取材当時、パワステもエアコンもなく、純正13インチホイールを履くことにこだわったためにドラムブレーキのままと、快適性とはほど遠い印象だが、
「エアコンはいつか装着したいですが、あとはなくても大丈夫です。それよりも、この美しいクラウンを不安なく乗れることのほうが大事です」と話すオーナー。その顔には、あこがれの1台をドライブする喜びにあふれていた。

▶▶▶【画像17枚】出力よりも信頼性を重視した結果、タウンエースノア用の縦置き3S-FE型エンジンと4速オートマを移植。マウントから製作し直し、無理なく収めきったエンジンルームなど



OWNER’S VOICE

「気がねなく乗れる安心感がいいですね」と、載せ換えエンジンのメリットを語ってくれたオーナー。その日の気分に合わせて純正M型エンジン搭載のMS52ワゴンとの乗り比べを楽しむ、大のクラウンフリークだ。




ヘッドカバーにパウダーコートをかけ、味気ないエンジンルームに彩りを添える。




ラジエーターは他車用を流用。電動ファンも装備して、オーバーヒート対策を実施。



1964年式 トヨペット クラウン デラックス
SPECIFIVATION 諸元
■ エクステリア: センチュリー純正色(摩周)
オールペイント、GT071ドアミラー
■ エンジン : 3S-FE型エンジン載せ換え
(マウント加工)、ヘッドカバー結晶塗装
■ 冷却系 : 他車用流用ラジエーター
■ 駆動系 : 3S-FE型用4速オートマチック
ミッション(マウント加工)、他車用流用
プロペラシャフト、コンパニオンフランジ加工
■ サスペンション : 前後ローダウンコイル
■ ブレーキ : 軽自動車用マスターバック/
マスターシリンダー加工
■ インテリア : ダッシュパネル&ドアパネル張り替え、
電動ファンスイッチ&デジタルメーター
■ タイヤ : ミシュラン エナジーセーバー
(F)165/65R14、(R)165/65R15
■ ホイール : クレーガー キーストーンクラシック
(F)14×6J 、(R)15×6J


初出:ノスタルジックスピード 2016年11月号 Vol.011(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1964年式 トヨペット クラウン デラックス(全3記事)

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text : AKIO SATO/佐藤昭夫 photo : RYOTA SATO/佐藤亮太

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