スバル360ゆかりの地への旅は、まずは「旧三鷹製作所」へ行って、一目ぼれしてしまった大貴誠ですが、次は群馬県の伊勢崎に向かいます。
なるべく当時の空気に近づくべく、図書館で昭和30年代の道路地図を出してもらって現在の地図と見くらべたり、スタンドやお店のオジサンに聞いて「当時はきっとこっちの細道がメインだったに違いない」とか、勝手に決めてそのルートを進みます。
開発チームの人が実際そこを走ったかどうかはわからないのに、「この景色! ラビットに乗ってぜったいこの景色見た!」って、アンタが開発チームかとつっこまれそうですが、じっさい大貴誠には見えちゃうんです。
「富士重工業旧伊勢崎第二工場の壁面モニュメント」前から出発。古い写真を見て、旧工場の出口が
どこか予想して、そこからの道を行きましたよ。
宿で名物の黒砂糖味のあんこ玉。疲れを癒やします。クルマは一晩休ませ、翌日は伊勢崎市内の探索
の予定。
こうして旅が始まりましたが、ちょっと気がかりなことが……。出発前、念入りにチェックをしたのに、アクセルを踏んでも踏んでも加速に時間がかかる。踏んでもスカスカで、すぐエンストしそう。赤城の急坂も上るので、伊勢崎へのルート途中に清瀬を通るのを幸い、加藤モータース販売に寄って見てもらうと、「点火時期の狂いとキャブレターにカーボンが付着気味」で、さしあたっての調整とクリーニングをして出発。
でも、まずは赤城山です。出発前に点火プラグも新品に取り換え、キビシイ上り坂も何事もなくクリア。さあ、それでは旅館探索だ! となった時、あらら……? ハプニングがレディーバードを襲ったのです……!
クルマの調子が悪く不安定な走り。そしてついにエンスト。休日の会社の駐車場の片隅をお借りして、
自分でできることは何でもやりましたが、ついにJAFのお世話に。牽引されるクルマの中にいるのが、
こんなに居心地悪いものとは知らなかったです。さあこの後、大貴誠を待ち受けた運命は!?
大貴 誠(だいき・まこと) OSK日本歌劇団・元男役トップスター。ノスヒロをむさぼり読んでい
た日本で唯一の歌劇スター。2010年夏、念願のスバル360を入手。このクルマと一緒に日本中を旅す
る予定。掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年6月号 Vol.151(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)