幾人かのオーナーの手を経て、戻ってきたサバンナ|1975年式 マツダ サバンナ GT Vol.1

フロントスポイラーは、他車用をベースに14年前に製作したもの。センター部分がやや尖った形状で、両サイドにはダクトが設けられたデザインがRX-3のイメージにピッタリ。

       
一度手に入れてチューニングしたりして楽しんでいたが、事情があって売却したクルマが、今も懐かしいというのはよく耳にする話。そのクルマが程度のいいコンディションだったりしたらなおさらのことで、一般の個人オーナーでは、なかなか買い戻すことはできないもの。ここで紹介するサバンナGTは、旧車専門店から販売され、何人かのオーナーの手に渡りながら、その専門店の代表の元で、公道復帰の準備が進められていた車両だ。

【1975年式 マツダ サバンナ GT Vol.1】

 日本のモータースポーツシーンで、最も有名なライバル対決が、王者ハコスカGT‐Rとロータリーエンジンを搭載するサバンナの激烈な戦いだ。最終的には、サバンナがGT‐Rの50連勝にストップをかけ、その後ワークス撤退にまで追い込んだ。しかも、サバンナはその後も勝利を積み重ね、最終的には、通算100勝を達成したのだ。

【画像24枚】ノーマルの全幅1595mmから、セミワークスフェンダーによって125mmワイド化され、1720mmとなったボディなど

 そんなサバンナGT(RX‐3)に、20代の頃から乗りはじめ、ロータリーエンジンにハマっていたのが、旧車専門店として評判の高い「アモン旧車倶楽部」の小西義彦代表だ。

「実は、元F1ドライバーの中嶋悟さんが、若い頃にレースで乗っていたRX‐3も所有していたことがあるんです。その頃は、もう1台RX‐3を所有していました。その後は、SA22Cで中山サーキットを走ったり、13B型をサイドポートにチューンしていました。あと、ホンダS800にロータリーを積んだりもしました」と語ってくれた。どうやら、かなりロータリーエンジン好きなようで、ここで紹介するRX‐3も、何かワケがありそうだ。



純正の雰囲気が生かされたコクピット、ステアリングは太いグリップが特徴のAmon製を装着。ダッシュの割れなどがあったがキレイにリペアされ、コンディションは抜群だ。





センターコンソールの3連メーターは純正装備で、右から時計、燃料/電圧、水温/サイドブレーキ・ウオーニングと並んでいる。





グローブボックス下の小物入れスペースにカーボンパネルを装着し、大森メーターの機械式水温、油温、油圧計を設置。チューンドエンジンの状態を確認するためには、最低限の装備だ。




1975年式 マツダ サバンナ GT(S124)
SPECIFICATION 諸元
●エクステリア:セミワークスオーバーフェンダー、オリジナルフロントスポイラー、マツダスピード製リアスポイラー(当時モノ)
●エンジン:13B型改ブリッジポート仕様、FD3S用ローターハウジング、9.7ローター、3mmカーボンアペックスシール、両面6mmブリッジポート加工
●吸排気系:ウエーバー48IDA(ダウンドラフト)、ERC製φ60mmステンレスマフラー
●点火系:フルトラ、CDI
●燃料系:インタンク式燃料ポンプ、燃圧レギュレーター
●駆動系:クロモリフライホイール、強化&メタルクラッチ
●サスペンション:(F))AE86用車高調(バネレート6kg/mm)、(R)強化サス、コニー製ダンパー
●ブレーキ:(F)AE86用キャリパー
●インテリア:Amon製ステアリング、特注生地にてシート張り替え、ダッシュボードリペア、大森製追加メーター(油圧、水温、油温)
●タイヤ:クムホV700(F)215/50R13、
(R)235/45R13
●ホイール:マツダスピード製マグホイール(当時モノ)
(F)13×9J、(R)13×11J



【2】【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2016年11月号 vol.011(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 マツダ サバンナ GT(全3記事)

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text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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