ラリーファン、日産ファン・・・サファリマシンへのオマージュ|1973年式 ダットサン 240Z サファリラリースペック Vol.1

フロントフードには、ワークスカーと同じ形状のランプケースの中に、PIAA製ハロゲン・スポットランプを2個装着。ランプケースは手作業で板金して製作。バンパーには補助灯を追加するためのブラケットも付く。

       
「フェアレディZへの慕情」

昭和演歌の題名にも使われた慕情という言葉には、恋しい、懐かしいという意味がある。クルマは機械の集合体であるのだが、人それぞれの思いが込められる対象となることもよくある。

【1973年式 ダットサン 240Z サファリラリースペック Vol.1】

 取材車両のオーナーは、2002年4月に63歳で他界されている。

 オーナーはアフリカ、ケニアの日系企業の代表を務められ、趣味で日産ラリーチームのサポートをしていた。

 1976年、オーナーはプライベーターとしてサファリラリーに参戦していた岩下良雄さんと知り合い、英国人ナビゲーターと現地のサービス要員を紹介する。二人はラリーを通じてきずなを深めていった。

 ラリーファン、日産ファンであれば、岩下さんの名前はよくご存じかもしれない。海外ラリーにプライベート参戦した日本人ドライバーの先駆けであり、後にイワシタラリーサービス(IRS)を創業。海外のみならず、日本国内のラリーをはじめとするモータースポーツ活動にかかわっている岩下良雄さんのことだ。


【画像34枚】左右ともにPIAA製となるサファリ仕様独特のウイングランプなど



リアバンパー上にあるステップと左右フェンダー上にあるグリップは、スタック時などにナビゲーターが飛び乗り、トラクションをかけるための場所で、サファリ仕様独特の装備。





カウルトップ上のキルスイッチ(右)。左の赤いボタンは自動消火用スイッチで、押すと車内にある消火器本体から消火剤が噴出する。こちらは現代のラリー車用安全装備。



1973年式 ダットサン 240Z サファリラリースペック(HS30)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4300mm
全幅 1630mm
全高 1305mm
ホイールベース 2305mm
トレッド前/後 1355/1345mm
車両重量 1150kg
乗車定員 2名
最高速度 240km/h
エンジン型式 L26型改
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 2874cc
最高出力 250ps/7500rpm
最大トルク 26.5kgf・m/5400rpm
変速機 前進5段/後退1段、F5C71B・直結5速
燃料タンク容量 120L
サスペンション前後とも マクファーソン・ストラット
ブレーキ前後とも ベンチレーテッド・ディスク、MK63-20S
ホイール前後とも 鍛造マグネシウム合金製、6.0Jx14インチ


●おことわり 取材車両のダットサン240Zサファリラリー仕様については、諸般の事情により、
関係者や企業へのお問い合わせには対応致しかねます。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。


【2】【3】【4】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 10月号 vol.171(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1973年式 ダットサン 240Z サファリラリースペック(全4記事)

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photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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