「でも、なんかいいですね」といわれることが最高の褒め言葉|1972年式 日産 フェアレディ 240ZG Vol.2

Gノーズ、オーバーフェンダー、リアスポイラーは純正だが、ホイール、縦デュアルのマフラー、ヒート対策で設けたサービスリッドのダクトはオーナー流。

       
【1972年式 日産 フェアレディ 240ZG Vol.2】

【1】から続く
 
 イベントに参加した際、道中で出合った2台のZのカッコよさがオーナーの心に鮮烈な印象を残した。Gノーズのシルエットにほれ込み、すぐにZを探し始め、手に入れたのが240ZGだ。

 この240ZGのボディはサビが進行し、チリも合っていなかったが、フロアを張り直し、完全修復。ガラスやモールも可能なかぎり新品に交換し、手に入らないガラスは徹底的に磨き上げた。ボディパネルも板金修復を施して純正グランプリホワイトにペイント。あまりの繊細で見事な仕上がりに、大規模に手を加えたことに気付かない人も多いらしい。クルマを見た人から、「でも、なんかいいですね」といわれることがオーナーにとって最高の褒め言葉であり、モチベーションとなっている。

OWNER’S VOICE/これまで何台も製作しましたが、あくまで旧車は趣味です!!

「子育てがひと段落したのを機に、当初は青春時代に乗っていたセドリックに魅せられ、フルレストアやエンジンフルメッキといったアプローチで仕上げていました。Y30、330、430のほか、ジャパン、510ブル、ミニカなども製作しました。自動車関連業を営むかたわら、旧車はあくまでもプライベートな趣味だと割り切っています。この240ZGもよく譲ってほしいといわれますが、絶対に売る気はありません」とオーナー。



キャブレターはソレックス44PHHをOH。ウエットブラスト仕上げにより、まるで新品状態。タコ足はフジツボ、マフラーはパイプの取り回しが気に入っているトラストだ。製作を岡山の「ウイナー」に依頼したエンジンなど【写真14枚】



1mmオーバーサイズで排気量を拡大し、ヘッド面研で圧縮比アップ。トルクが太くなり乗りやすさに貢献している。





キャブレターのパーコレーション対策として、外気導入ダクト部分にホースと電動ファンを装着。強制的にエンジンルーム内の熱気を排出するシステムを構築した。





足回りは前後ともスターロードの車高調を装着。バネレートは前後8kg/mmの設定で、乗り心地重視。フロントブレーキはMK63+ソリッドローター。リアの純正アルフィンドラムは、ポリッシュ仕上げだ。


初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 10月号 vol.171(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1972年式 日産 フェアレディ 240ZG(全2記事)

関連記事: 同じコンセプトで仕上げられた3台のZ

関連記事: フェアレディZへの慕情

関連記事: フェアレディZ

text : HIROSHI SHOMATSUMOTO/正松本 宏 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

RECOMMENDED

RELATED

RANKING