最小限の剛性アップ! サイドシルにはL型アングルを追加してボディ補強|1984年式 スターレット3ドア 1300 DX Vol.2

トルクフルで扱いやすい7K-E型を換装、一生乗り続けられる快適ストリート仕様。

       
【1984年式 スターレット3ドア 1300 DX Vol.2】

 元塗装業のオーナーの手により、ボディリフレッシュとオールペイントが施され、1781ccの7K-E型に換装されたKP61。

 2台のKP61を所有しているが、1台は4A‐G型を搭載して軽さに特化したクルマ作りを展開するサーキット仕様。もう1台が今回紹介する車両で、ロングドライブもカバーし、快適に普段使いができるストリート仕様として製作された。

【1】から続く

 ベース車両は屋内保管されていたワンオーナー車で、外板パネルにはサビがまったくなく、修復歴もない程度極上車だった。これまでに何台ものKP61を所有してきたオーナーの車歴の中でも、ここまで状態のいい車体に出合ったのは初めてだったそうで、一生乗り続けるつもりで徹底的にボディのリフレッシュを行うことにした。

4K型の直立用だが、7K-E型に合わせ集合部を加工して取り付けられたタコ足など【写真23枚】

 まずはフロアパネルの一部に発生していた軽微なサビを修復したうえで、この先も良好な状態を保つため、防錆&防水処理を徹底。剛性を確保してヨレやねじれを払拭するべく、サイドシルにはL型アングルを追加してボディ補強を行う。熱を加えるとサビの原因になるのでスポット溶接は避け、重量増もなるべく抑えるため、最小限の剛性アップを選んだわけだ。

 ボディカラーはブロンズをベースにパール系塗料をオリジナルで調合。飽きのこない落ち着きがあり、なおかつ光の反射によって多彩に表情が変化する個性も備える。しかも、かつて塗装店を経営していたスキルを生かし、これらのボディメイクやペイントにはたっぷりと手間と愛情を注ぎ、オーナーが自ら丁寧に仕上げた。



1.3Lの4K型だとφ40mmぐらいが妥当だが、1.8Lの7K-E型換装に合わせて、キャブレターはソレックス44PHHを組み合わせている。エンジンを直立化したことで、ファンネルも少し長めの75mmが選択できるようになり、レスポンスもまずまず。




7K-E型ブロックは、4K型に比べて全高が高く、オイルパンも深いのでロードクリアランスが厳しい。そのため、クランクが干渉しないギリギリまでオイルパンを加工し、メンバーにも加工を施す。





欧州車に感じるような、質感とセンスの良さが漂うKP61。


1984年式 スターレット3ドア 1300 DX(KP61)
SPECIFICATIONS 諸元
●エクステリア:前後とも後期改中期仕様、TRD TSタイプフロントスポイラー、エンジンルーム&フロア&ドア&フェンダー内フルシーリング、ボディ全体防錆処理、ワンオフカラー全塗装
●エンジン:7K-E型換装(直立仕様)、ヘッド1mm面研
●吸排気系:ソレックス44PHH(ニスモ)、ステージⅢ直立用タコ足、フジツボ製ステンレスマフラー
●燃料系:ミツバ製電磁ポンプ
●冷却系:銅2層ワンオフワイドラジエーター
●駆動系:純正5速ミッション、ノーマルデフ(ファイナル3.3)
●サスペンション:(F)AE86用車高調、TE27用ナックル、丸目KP61用ロワアーム、タイロッドエンド (R)AE86用ショートショック、TBSスプリング
●ブレーキ:(F)AE86用キャリパー、純正S用ブレーキブースター
●インテリア:ナルディ製φ350mmディープタイプステアリング、ランエボ用レカロ製シート(左右)、純正S用メーター、大森製水温計
●タイヤ:ファルケン ジークス 175/60R13
●ホイール:アドバンA3A 13×6J -6
●その他:ボカシ入り合わせガラス(フロント)、5面(フロント以外)UVカットフィルム、クーラー新規製作


【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1984年式 スターレット3ドア 1300 DX(全3記事)

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text : HIROSHI SHOUMATSUMOTO/正松本 宏 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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