美しく輝くフロア下! 困難を極めた寝そべってのブラスト処理|1978年式 日産 フェアレディ Z-T Vol.5

4年の歳月をかけて生まれ変わった、キズひとつない極上ボディが圧巻!

       
【1978年式 日産 フェアレディ Z-T Vol.5】

【4】から続く

 ストリートゼロヨンで名を馳せた親父、そして背中を見て育った息子。周りの仲間とともに仕上げられたS31Z。どこを見てもキズひとつないボディ&シャシーに、かつて連戦連勝を誇ったL28型改3L仕様のエンジンが搭載されている。

 その内装は、ひび割れたダッシュボードを修復し、追加メーターを違和感なく収めたほか、ブリッドのフルバケットシートを左右に装着。レーシーな室内空間を構築した。

ここでレストアされた! 2柱リフトや各種工作機械など、プロ顔負けの設備を持つガレージ

 2柱リフトや各種工作機械など、プロ顔負けの設備を持つガレージ。恵まれた環境だが、元々これだけの設備があったわけではなく、そのほとんどは必要に応じて買い足したり、仲間から譲り受けたもの。ちなみに今回のレストアで一番大変だった作業を聞いてみると、ブラスト処理という答えが返ってきた。ビニールで囲った簡易ブースの中に寝そべって、ブラスト処理をするのは困難を極めたとか。


 そして、どこを見てもスキのない仕上がりに生まれ変わったS31Zは、ノスタルジック2デイズの会場で披露され、来場者の視線をクギ付けにした。親子が二人三脚で作り上げた究極のS31Z。尽きることのない情熱と血のにじむような努力により、見事復活をとげた伝説の1台は、新たなステージで眩いばかりの輝きを放っていた。

美しく仕上がったフロア下全景。クルマ仲間と共同で借りている倉庫。シビックやシルビアなどがズラリと並ガレージなど【写真41枚】



オーナーゆずりの頑固な職人気質なところがそっくりという息子さん。クルマ好きのDNAは着実に受け継がれている。





旋盤やフライス盤、Tig溶接機など、各種工作機械が揃う。





歳を重ねても昔に戻れる居心地のいいガレージには、クルマという共通の趣味を通じて話題は尽きないようで、仲間が集まる。



1978年式 日産 フェアレディ Z-T(S31)
●エクステリア:FRPフロントスポイラー/ボンネット、丸源商会製FRPドア/リアゲート/オーバーフェンダー、パーツアシスト製テールランプ、マーシャル製ヘッドライト、サベルト製トーループ
●エンジン:L28型改3.0L仕様、ホンダXL500用鋳造ピストン、L14型用コンロッド、ニスモ製オプションクランクシャフト、バルブ軽量加工(IN:φ44mm、EX:φ35mm)、柿本改製バルブスプリング、純正オイルパン容量アップ加工、アルミ製ワンオフエンジンマウント、ワンオフオイルキャッチタンク
●吸排気系:OERφ47mmキャブレター、ワンオフφ42.7mmステンレスタコ足(6-1集合)、ワンオフφ80mmステンレスマフラー
●点火系:ダイレクトイグニッション化、RB型用純正ECU
●冷却系:トラスト製アルミ3層ラジエーター、電動ファン追加
●燃料系:ステンレス製ワンオフ燃料タンク、S13用燃料ポンプ、燃料ライン引き直し(アルミ)
●駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、240ZG純正ミッション、R200デフ(ファイナル4.7)、アルミ製ワンオフミッション&デフマウント
●足回り:ブリッツ製改ワンオフ車高調、調整式フロントロワアーム、調整式リアロワアーム、240ZG用リアスタビライザー流用、ワンオフタイロッド
●ブレーキ:(F)DC5用ブレンボ製キャリパー流用、S2000用ローター、(R)PS13用キャリパー流用、ブレーキライン引き直し(スチール)
●タイヤ:(F)ヨコハマ アドバンA050 205/50R16 (R)ブリヂストン ポテンザRE11-S 225/45R16
●ホイール:RSワタナベ 8スポーク (F)16×8.5J (R)16×9.5J
●内装:MOMOバックスキンステアリング、オートメーター製追加メーター(タコ、スピード、油圧、水温、燃料)、ブリッド製ジータⅢスポーツC、オリジナルハーネス、開口部スポット溶接追加


初出:ノスタルジックスピード 2016年 7月号 vol.010(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1978年式 日産 フェアレディ Z-T(S31)(全5記事)

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text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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