ブルーバードを抜き、33か月連続1位を記録。昭和日本の国民車を「US&シャコタン」化|1969年式トヨペットコロナ 1500デラックス Vol.1

ブレーキとウインカーに連動して光る社外のランプをリアトレイに。なかなか味のあるアクセサリーだ。

       
【1969年式トヨペットコロナ 1500デラックス Vol.1】

 カッコいいスポーツカーはノーマルのままでもイケてるが、汎用なセダンはイジってやらないとカッコよくならない。

 昭和のファミリカーを相手にオーナーが取った作戦は、USパーツの移植と激しいシャコタンの2つ。これで大衆車のコロナは、一気に見違えるほどの美形になった。

 トヨタの中型セダンの核として誕生したコロナ。しかし、初代、2代目と続けて当時の王者ダットサンの牙城を崩すのは難く、市場での苦戦の日々が続いていた。そして1964年、逆転を狙って放たれたのが、ここで取り上げる3代目T40系だ。メーカーが「アローライン」と呼ぶ傾斜の効いたフロントマスクに対して、世間からは「バリカン」というあまりうれしくないニックネームをちょうだいした。

 また、タクシーの採用条件となる車体サイズを無視した国際的感覚のデザインや、高速道路ノントラブル走行デモンストレーションなどのかいもあり、翌1965年1月に初めて宿敵ブルーバードをおさえて、月間販売台数1位の栄誉に輝き、同4月からは33か月連続1位を記録。日本の国民車として盤石のポジションを得るまでに成長をとげていく。

純正エアクリーナーカバーの色を復元したボディカラー。あえてエンブレムを付けずにシンプルにまとめたグリルなど【写真18枚】









リアサイドマーカーは、US仕様化に不可欠なアイテム。もちろん点灯も可能だ。ちなみに、フロントのウインカーは日米共通部品だが、わざわざUSから取り寄せた部品を付けている。





国内は「TOYOPET」、US仕様には「TOYOTA」のエンブレムが付くグリル。オーナーは、あえてどちらも付けずにシンプルなフェイスでまとめた。



【2】【3】に続く

1969年式トヨペットコロナ 1500デラックス
SPECIFICATIONS 諸元
● エクステリア:純正エアクリーナーカバー色グレーオールペイン ト、ドアハンドルリクローム、モールポリッシュ、
US純正サイドウインカー/リアマーカー、バックミラーレス、
エンブレムスムージング、US汎用ナンバープレートボルト
● エンジン:ピンクペイント、ワイヤータック加工、
オルタネーターペイント
● 吸排気系:ミクニソレックス40PHHキャブレター、
A型用ソレックスインマニ加工、ミニ用マフラー流用
● 点火系:MSDプラグコード/ブラスター2イグニッションコイル
● 燃料系:ミツバ製ポンプ
● 足回り:(F)ワンオフコイルスプリング、
ミニトラック用ショートサイズショックアブソーバー
 (R)リーフ抜き、JA11ジムニー用ショックアブソーバー
● タイヤ:ATRエコノミスト 165/50R15
● ホイール:ボルクレーシング アーティシャス
 (F)15×7J (R)15×7.5J
● 内装:VDOタコメーター、レトロシェード製
オーダーメイドブラインド、社外ハイマウントストップランプ、
家庭用カーペット張り替え


初出:ノスタルジックスピード 2016年 3月号 vol.009(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式トヨペットコロナ 1500デラックス(全3記事)

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text : AKIO SATO/佐藤昭夫 photo : RYOTA SATO/佐藤亮太

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