前席とどちらがゴージャス? 織布を使った高級ソファそのもののリアシート|1963年式 トヨペット クラウン デラックス・トヨグライド付 Vol.2|セダンの神髄

カラーコーディネートされたフロントベンチシート。乗車定員は6名となる。

       
【1963年式 トヨペット クラウン デラックス・トヨグライド付 Vol.2】

Vol.1から続く

 初代クラウンは1525mmの車高を誇り、紳士や淑女が帽子をかぶったままで乗り降りできる車内寸法だったが、1962年9月にフルモデルチェンジを敢行。

 2代目、RS40、41クラウンは一転、直線基調の低く長いフォルムをまとって登場した。車高は1460mmで65mmも下げられ、全長は325mmも長くなった。その洗練されたフォルムは、日本の高級乗用車として確固たる地位を築き、国産セダンのベンチマークとして、クラウンの名を昇華させた。



濃い緑色のボディカラーとコーディネートした薄緑色の高級感ある内装色など【写真11枚】

 取材車両のオーナーである大塚宏さんはトヨタの旧車愛好家で、TE27レビン、AE86レビンなどオリジナル度の高い車両を所有。このRS41クラウンデラックスは、4年ほど前に購入した。

「母方の祖父が、私が5歳まで同じ型のクラウンに乗っていました。その思い出が鮮明に残っていて、機会があれば、手に入れたいと思っていました」


年ごとに進化していった、クラウンのトヨグライド

 自動車に盛り込まれる機構が年ごとに進化していった60年代。RS40系クラウンに採用されたトヨグライドも、1モデルの中で3つの種類が存在する。最初が取材車両に採用されていた「半自動2速」で、次が1963年6月にカスタムに搭載された、2速全自動変速のトヨグライド・オートマチック。さらに1967年5月には、3速全自動変速のトヨグライド・オートマチックが、クラウンSのみに追加された。
 時代の流れやクルマの性能の進化によって、オートマチックの機構も年ごとに変化していったのだ。

Vol.3に続く


1963年式 トヨペット クラウン デラックス・トヨグライド付(RS41-C)
SPECIFICATIONS 主要諸元
全長 4610mm
全幅 1695mm
全高 1460mm
ホイールベース 2690mm
トレッド前/後 1360/1380mm
最低地上高 185mm
車両重量 1270kg
乗車定員 6名
最高速度 140km/h
登坂能力sinθ 0.36
最小回転半径 5.5m
エンジン型式 3R型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量 1897cc
ボア×ストローク 88×78mm
圧縮比 8.0:1
最高出力 90ps/5000rpm
最大トルク 14.5kg-m/3400rpm
変速機形式 流体式トルクコンバーター、3要素1段2相式、前進2段・後退1段
変速比 1速 1.82/2速 1.00/後退 1.82
最終減速比 4.375
燃料タンク容量 50L
ステアリング形式 ウオーム・セクターローラー
サスペンション前/後 ウイッシュボーン・コイルバネ独立懸架/トレーリングリンク・コイルバネ
ブレーキ前/後 ツー・リーディング/デュオ・サーボ
タイヤ前後とも 7.00-13 4P
発売当時価格 111万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2014年8月号 Vol.164(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1963年式 トヨペット クラウン デラックス・トヨグライド付 (全3記事)

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photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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