「ジャジャ馬だけどそれが楽しいし、やっぱりこのクルマが好きだから。それにオリジナルに近い個体はもう少ないからね」|1986年式 トヨタ スターレット 5ドア ターボS Vol.3|カッ飛びホットハッチ

〝辛口ターボ〟の走りは痛快。

       
【1986年式 トヨタ スターレット 5ドア ターボS Vol.3】

 カタログに踊る〝辛口ターボ〟の言葉通りその走りは痛快で、それを表すように当時の自動車専門誌に「過激すぎる」と評されるほどだった。しかし、多くの自動車ファンがその刺激を求め、一躍ホットハッチの最前線に躍り出たEP71。しかし、〝辛口〟な走りに撃沈された車両も多く、現存する車両は少ない。今、これほどの刺激を受けられるクルマはいったい何台あるだろうか。

11年間の保存から復帰、新車から26年以上をともに


OWNER’S VOICE/青木 豊さん
 オーナーの青木豊さんはこのEP71を1986年7月に新車で購入し、以来26年以上も付き合ってきた。その間、乗り換える気持ちはなかったのかと聞くと、「EP82やEP91も気になりましたけど、ターボに5ドアの設定がなかったんですよ。だから乗り換えなかった。そうこうしているうちに約11年の動態保存状態になってしまってね」と語る。補足すると、98年から09年までの約11年間は、ST210コロナプレミオも所有していて、実家の駐車場にST210が入らないために、このクルマが実家で動態保存状態となっていたそうだ。この間の走行距離はたった1000km程度。そのような状況でも手放すことは考えなかったのだという。その理由は、「ジャジャ馬だけどそれが楽しいし、、やっぱりこのクルマが好きだから。それにオリジナルに近い個体はもう少ないからね」と語る。

 この26年間で大きなトラブルはほぼなし。エンジンはオーバーホールしているが、ボディは新車当時のままの未再生車だ。間もなく25万kmに到達しそうだが、11年間の動態保存状態から復帰して、「今はだいぶ調子が戻ってきた感じ」と、好調ぶりを話してくれた。

実用性が重視されたレイアウトのインパネなど【写真6枚】

1986年式 トヨタ スターレット 5ドア ターボS(EP71)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 3770×1600×1380
ホイールベース(mm) 2300
トレッド前/後(mm) 1385/1345
車両重量(kg) 800
エンジン型式 2E-TELU型
エンジン種類 直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1295
ボア×ストローク(mm) 73.0×77.4
圧縮比 8.2:1
最高出力(ps/rpm) 105/5600(LOモード91/5600)
最大トルク(kg-m/rpm) 15.2/3600(LOモード13.4/2800)
変速比 1速 3.166/2速 1.904/3速 1.310/4速 0.969/5速 0.815/後退 3.250
最終減速比 3.722
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/トーションビーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 175/60R14(前後とも)
発売当時価格 131.1万円

初出:ハチマルヒーロー 2013年5月号 Vol.021(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1986年式 トヨタ スターレット 5ドア ターボS(全3記事)

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photo : MOTOSUKE FUJII/藤井元輔 text : Rino Creative/リノクリエイティブ

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