「R」の付いたRB20型! RB20DET‐R型は排気量を2029ccに拡大、400ps、42kg‐m以上を絞り出す|スカイライン JSS仕様 Vol.3|ハチマルモータースポーツ

JSS時代に都平健二が愛用していたSHOEIのフルフェイスヘルメットの本物。

       
【スカイライン JSS仕様(R31) Vol.3】 

 主役の座をR32スカイラインGT‐Rに譲ったグループA仕様のR31スカイラインGTS‐RはJSSへの転身を図るマシンが多かった。撮影したR31スカイラインのJSSマシンにもワークスカーからエンジンやサスペンションなどを移植し、高い戦闘力を持つマシンに仕立てられている。

 特徴的なのは、ベース車両が一般の市販車であることだ。ニスモが製作したレース専用マシンではなく、市販車のモノコック部分を補強し、ロールバーも溶接仕上げではなくボルト留めとしている。エアロパーツの多くはワークスマシンからの流用だ。ただし、改造自由度が大きいのでフェンダーなどは広げられ、迫力を増した。タイヤもグループAカーよりワイドだ。

 RB20DET‐R型直列6気筒ターボは排気量を2029ccに拡大し、400ps/7200rpm、42kg‐m/6000rpm以上を絞り出す。

 デビューレースは92年10月に富士スピードウェイで行われた最終戦だ。このときは初期トラブルが出て本領を発揮できなかったが、翌93年3月の「IMSA GTチャレンジ」では、GTSクラスのGT‐R(景山正彦)と熾烈なバトルを繰り広げた結果、JSS優勝、総合2位を勝ち取ったのだ。

コスワース製の鍛造ピストンやノーマル加工のクランクシャフトやコンロッドが組み込まれた、RB20DET-R型エンジンなど【写真10枚】


OWNER 鈴木直人さん

 R31スカイラインにぞっこんほれ込んでいる鈴木さん(右)は、GTS-Rを16年も愛車にしている。レース仕様のレプリカを造ろうとしていたところ、都平健二さんの乗ったマシンが見つかった。そこでリミットのマネージャーの石田馨さん(左)に依頼し、手に入れたのがこのクルマ。3年かけて仕上げたが、いつかは完調にしてヒストリックカーレースを楽しみたい、と言う。これからの進化が楽しみだ。

初出:ハチマルヒーロー 2013年2月号 Vol.020(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

スカイライン JSS仕様(全3記事)

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photo : MOTOSUKE FUJII/藤井元輔 text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明

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