サニーを飛び越えて、L型をブッチ切ることが目標|1979年式 トヨタ スターレット Vol.3|当時モノ&チューンにこだわる「ワークス魂の継承」

一見すると希少なエンジンを積んでいるようには見えない前期型KP61。

       
【1979年式 トヨタ スターレット Vol.3|ワークス魂の継承】

 約150psは出ているというパワーをもつ4K型をベースにしたエンジンは、ニスモのソレックス44PHHを組み合わせ、8500rpmまで回る仕様。

 直立化のために必要なエンジンマウントはTRD製ながら、ウチダテクノサービスがワンオフで製作したウエットサンプ仕様のオイルパンとプーリーセットも組み込まれている。また、ミッションは純正のケースにTRD5速クロスを組み込み、ウチダテクノサービス製の直立用マウントでエンジン搭載角度変更に合わせている。

 ノーマルに見えるボディも、実は貴重な絶版パーツなどで軽量化が施されている。前後バンパーとボンネットはTRD製のFRPに、リアハッチはガレージコネクション製FRPで、ウインドーはポリカーボネート製を装着。



 内装も凝っていてメーターはすべてスタック製を使用し、シートはTRDネーム入りのレカロ。ベルトはサベルトを使うが、すべての色を内装に合わせた「黒」で統一し、外観同様に落ち着きを持った作りになっている。

 オーナーのこだわりが詰まったKP61だが、このクルマは「盆栽」ではない。4K型改直立エンジンは、勝負に勝つために生まれたもの。目標は当時のライバルであるサニーを飛び越えて、L型をブッチ切ることとか。そんな夢を持ち続け、今後もまだまだ手を入れていくと金牧さんは語ってくれた。

装着されたTRDマーク入りのレカロシートとサベルトのトップフォーミュラのハーネスがチョイスされた運転席など【写真10枚】



1979年式 トヨタ スターレット(KP61)主要諸元
●エクステリア:TRD製FRPバンパー、ボンネット/ガレージコネクション製FRPリアハッチ/ポリカーボネートリアウインドー/CIBIE製ヘッドライト/他車種流用ミラー
●エンジン:4K型改1430cc:ボアφ79mm×ストローク73mm/ウメダチューン製ピストン/TRD親子メタル、KE005カム、軽量バルブリフター、ロッカーアームスペーサー、ビッグバルブ、ダブルバルブスプリング、リテーナー、バルブシート、直立エンジンマウント/TOM’Sギアトレイン/ウチダテクノサービス特注直立ウエットサンプオイルパン、プーリーセット
●吸気系:NISMOソレックス44PHH/インジェクション用燃料ポンプ/燃圧レギュレーター×2/SPLジェットブロック
●排気系:ワンオフタコ足&マフラー
●点火系:MSD 6AL+ブラスターコイル
●冷却系:アルミラジエーター
●駆動系:TODAレーシング軽量フライホイール/TRDクラッチカバー、クラッチディスク、5速クロスミッション、6インチデフ、ファイナル3.909/ウチダテクノサービス特注直立ミッションマウント/純正ドライブシャフト改
●ウチダテクノサービス特注フロントスタビマウント/後期用純正スタビ/arcオートリファインパイプスタビ前後/ウレタンブッシュ特注製作/TE27用ナックルアーム/トラスト製ATE86スピンドル/BILS製特注全長調整式ショック(40段減衰力調整式)
●ブレーキ:BILS製AE86用フロントブレーキパッド/プロジェクトμリアブレーキパッド、テフロンメッシュブレーキホース
●ホイール:WEDSレーシングフォージF:13×6J、R:13×6.5J
●タイヤ:ファルケン175/60R13(サーキット用アドバン050ハード)
●インテリア:STACK製メーター(水温、油温、油圧、燃圧、燃料、スピード、タコ、空燃比)/TRDレカロバケットシート/サベルト3インチトップフォーミュラー/MOMOディープコーンステアリング

初出:Nostalgic SPEED 2015年07月 Vol.007 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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text : MASAYUKI FUKADA/深田昌之 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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