サーキットの申し子とも言えるZ432、純正部品にこだわったレストアはやっかいなパーツ探しでオーナーを苦しめた|読者が選ぶ国産旧車人気ランキング2014 【3位】1971年式 日産 フェアレディZ432 Vol.3

サーキットの申し子とも言える存在だったZ432。

       
【1971年式 日産 フェアレディZ432 Vol.3】

2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング 3位 日産 フェアレディZ

 1971年3月、フェアレディZは商品性向上のためのマイナーチェンジを行った。このときに水が浸入すると指摘されたリアゲートのエアアウトレットをリアクオーターピラーのパネル部に移し、スピードメーターには速度警告の表示が加わる。10月にはダットサン240Zの日本仕様たるフェアレディ240Zシリーズを投入した。このときZ432も後期型へと切り替えられたが、主役の座を譲っている。

 サーキットの申し子とも言える存在だったのがZ432だ。海外では240Zの評価が高いし、モータースポーツの世界でも分厚いトルクと広いパワーバンドを武器に大活躍した。だが、量産スポーツカーの域を超えた芸術品と言える輝きを放ったのは、日本専用モデルとして企画されたZ432である。だから愛する人が後を絶たない。

ダッツンコンペに換装されたステアリングなど【写真7枚】

純度の高いS30Zを乗り続けることの、大切さ



後藤法男さん/OWNER’S VOICE

 子供の頃に憧れていたS30Zだったが、就職先はトヨタディーラー。セリカやカローラGTなどを乗り継いできた。その後、独立して自営業を始めた際、憧れが再びわき出してきた。

 ワンオーナーでガレージ保管されていたS30Zが見つかり購入したが、エンジンがダメだった。そこから純正部品にこだわりレストアしたため、やっかいなパーツ探しが後藤さんを苦しめた。

 しかし晴れて素晴らしいコンディションのS30Zへと復活。とあるイベントでは、S30Zデザイナーの松尾良彦さんからの特別賞を受賞した。

 他にもサーキット走行用に仕上げたS30Zも所有する後藤さんだが、取材車両は純正のまま乗り続けたいと考えているとのことだ。

1971年式 日産 フェアレディZ432(PS30) 主要諸元 Specifications
●販売期間 1969年10月~1978年7月

●全長 4115mm
●全幅 1630mm
●全高 1290mm
●ホイールベース 2305mm
●トレッド 前1355/後1345mm
●最低地上高 165mm
●室内長 835mm
●室内幅 1390mm
●室内高 1040mm
●車両重量 1140kg
●乗車定員 2名
●0→400m加速 15.8秒
●最高速度 210km/h
●登坂能力 sinθ0.462
●最小回転半径 4.8m
●エンジン型式 S20型
●エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
●総排気量 1989cc
●ボア×ストローク 82.0×62.8mm
●圧縮比 9.5:1
●最高出力 160ps/7000rpm
●最大トルク 18.0kg-m/5600rpm
●変速比 1速2.957/2速1.858/3速1.311/4速1.000/5速0.852後退2.922
●最終減速比 4.444
●燃料タンク容量 60L
●ステアリング形式 ラック&ピニオン式
●サスペンション 前後とも独立懸架ストラット式
●ブレーキ 前/後ディスク式/リーディングトレーディング式
●タイヤ 前後とも6.95H-14-4PR
●発売当時価格 185万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年4月号 Vol.162(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 フェアレディZ432(全3記事)

2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング

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photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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