790ccの水平対向2気筒エンジンを携え、船橋サーキットでデビューウィン!|2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング【4位】1967年式 トヨタスポーツ800 Vol.2

サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーンとトーションバー、リアはリーフスプリングによるリジッドアクスル。

       
【1967年式 トヨタスポーツ800 Vol.2】

2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング 4位 トヨタスポーツ800

 トヨタスポーツ800は1965年4月に発売を開始する。型式はパブリカ700の「UP10」に対し「UP15」だ。エンジンは697ccのU型水平対向2気筒OHVを拡大し、790ccの排気量を得た2U型空冷フラットツインを積んでいる。キャブレターを2つ装着するが、最高出力は45㎰/5400rpm。数値としては、ライバルとなるホンダS800に遠く及ばない。

 だが、優れたエアロダイナミクスと580kgの超軽量ボディを携え、パワーに勝るライバルたちに果敢に挑んだ。小兵ながらゼロヨン加速は18.4秒を叩きだす。最高速度も155km/hをマークした。サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーンとトーションバー、リアはリーフスプリングによるリジッドアクスルだが、冴えたフットワークを見せつける。

船橋サーキットで浮谷東次郎が生沢徹のホンダS600を退けてデビューウィン

 船橋サーキットのCCCレースでは伝説のレーサー、浮谷東次郎が生沢徹のホンダS600を退けてデビューウィンを飾った。耐久レースでは、豪快な走りに加え、群を抜く好燃費を武器に、何度も表彰台に乗っている。トヨタスポーツ800は、希代の傑作スポーツカーと言えるだろう。今の時代にも通用する、先見性の高さが光るライトウエイトスポーツである。

スポーツカー然とした機能的なダッシュボードなど【写真11枚】

極上のヨタハチと、各地を駆け巡る




OWNER’S VOICE 上川享宏さん

 幼稚園時代に、木馬座のケロヨンに出ていたヨタハチを見て以来、「いつかはヨタハチに乗る」と念じ、40歳のときに念願かなって極上のヨタハチを手に入れた上川さん。うれしくて暇を見つけては走り、購入した年には1万km近い走行距離を記録した。維持するうえで、気をつけているのは精力的に走ることと、雨の日に乗らないこと。

 また、家族と同じように愛情をもって接することも長く付き合えるコツのひとつだと言う。ヨタハチとの生活を、Yahoo! ブログのヨタハチで蘇った「少年のこころ」に書き綴っている。

 上川さんはメカに詳しくないため、買うときに、安心して走れるクルマにレストアしてもらった。だから購入して9年後の今でも車両の状態は最高だ。


1967年式 トヨタスポーツ800(UP15)主要諸元
●販売期間 1965年4月~1969年10月

●全長 3580mm
●全幅 1465mm
●全高 1175mm
●ホイールベース 2000mm
●トレッド 前1203/後1160mm
●最低地上高 175mm
●室内長 785mm
●室内幅 1250mm
●室内高 965mm
●車両重量 580kg
●乗車定員 2名
●最高速度 155km/h
●登坂能力 sinθ0.464
●最小回転半径 4.3m
●エンジン型式 2U型
●エンジン種類 空冷水平対向2気筒OHV
●総排気量 790cc
●ボア×ストローク 83×73mm
●圧縮比 9.0:1


●最高出力 45ps/5400rpm
●最大トルク 6.8kg-m/3800rpm
●トランスミッション型式 前進4段後退1段オールシンクロメッシュ
●変速比 1速4.444/2速2.400/3速1.550/4速1.125/後退5.812
●最終減速比 3.300
●燃料タンク容量 30L
●ステアリング形式 ウオーム&セクターローラー式
●サスペンション 前/後トーションバー独立/非対称半楕円リーフスプリング
●ブレーキ 前後とも ドラム
●タイヤ 前後とも 6.00-12-4PR
●発売当時価格 59万2000円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年4月号 Vol.162(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 トヨタスポーツ800(全2記事)

2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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