レースに出場することなく、歴史に幕が下ろされたケンメリGT‐R|読者が選ぶ国産旧車人気ランキング 2014【6位】|1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.2

ハコスカに比べ、グラマラスなボディとなったケンメリGT-R。リアスポイラーや前後のオーバーフェンダーは標準装備だが、ホイールはトピー工業製の14×5Jのスチール製。さすがに物足りなく感じるため、アルミホイールも所有している。

       
【1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.2】

読者が選ぶ国産旧車人気ランキング 2014 6位

 先代譲りのS20型エンジンを搭載したGT‐Rは、73年1月に登場。しかし、生産されたのは4月までのわずか4カ月。さらに、レーシング仕様が東京モーターショーでお披露目されたものの、ついにレースには参戦することなく、幻のGT‐Rとなった。

 その理由としては、C10系より大きく重くなったボディでは、戦闘力アップしたライバルに太刀打ちできなかったことがあげられる。さらに、当時は社会的に排ガス規制が厳しくなり、レース活動を中止してでも、排ガス規制に対応する技術を開発する必要があった。これらの事情から、ケンメリGT‐Rはレースに出場することなく、わずか4カ月の間に、197台が生産されただけで歴史に幕が下ろされた。

 この貴重なケンメリGT‐Rに関しては、以前からまことしやかなウワサがあった。そのひとつは、エンジン開発用の車体が数台作られていたというものだ。ただし、ケンメリGT‐Rに関する資料では、車台番号は000051〜000245番で、このほかにレース試作車が2台あったとされている。

「S」マークが入った専用デザインのセンターパッドなど【写真6枚】



Vol.3に続く

1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(KPGC110)主要諸元
●販売期間 1972年9月~1977年7月

●全長 4460mm
●全幅 1695mm
●全高 1380mm
●ホイールベース 2610mm
●トレッド前/後 1395/1375mm
●最低地上高 165mm
●室内長 1790mm
●室内幅 1340mm
●室内高 1125mm
●車両重量 1145kg
●乗車定員 5名
●登坂能力tanθ 0.46
●最小回転半径 5.2m
●エンジン型式 S20型
●エンジン種類水冷直列 6気筒DOHC
●総排気量 1989cc
●ボア×ストローク 82.0×62.8mm
●圧縮比 9.5:1
●最高出力 160ps/7000rpm
●最大トルク 18.0kg-m/5600rpm
●変速比 1速2.906/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.864/後退3.382
●最終減速比 4.444
●燃料タンク容量 55L
●ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
●サスペンション前/後 ストラット・コイル/セミトレーリングアーム・コイル
●ブレーキ 前後ともディスク
●タイヤ 前後とも175HR14
●発売当時価格 163万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年4月号 Vol.162(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(全3記事)

2014 読者が選ぶ国産旧車人気ランキング

photo : KIYOSHI NISHINO/西野キヨシ

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