自然吸気で200psの大台に! 4バルブDOHC化された後期型3L V6|1989年式 マツダ ルーチェ 4ドアハードトップ 3000 V6DOHC リミテッド Vol.3

5ナンバーフルサイズにボディを拡大し、フラッグシップへと変貌を遂げた。

       
【1989年式 マツダ ルーチェ 4ドアハードトップ 3000 V6DOHC リミテッド Vol.3】

 そしてエンジン。2L直4SOHCに加えて、マツダらしく13B型ロータリーターボも搭載。さらに、マツダ初となるJ型V6エンジンを新開発。2L SOHCと同ターボがまず投入され、遅れて3L SOHCを設定した。

 200psの大台に乗ったのが、4バルブDOHC化された後期型3L V6だ。吸排気量を大幅に増加して最適な燃焼を促す4バルブ化と、高回転・高出力を得られるツインカム化により、大幅にパワーアップ。また、吸気管内の空気の動きを利用して過給する共鳴吸気方式や、吸排気効率を高めるハイバルブリフト化の採用も効果を発揮。これらにより、前期型の160ps/24.0kg‐mから、40ps/2.5kg‐mもの出力&トルクアップを果たしている。

 加えて、摩擦抵抗を低減するニードルベアリング付きスイングアームや、エンジン全体の動きを細かくコントロールする総合電子制御システムも採用。パワーアップだけでなく、燃費性能の向上やV6らしい滑らかな加速など、エンジン全体の性能が上がっている。

 ライバルたちがターボ搭載でパワーアップを果たしているのに対して、マツダはNAで200psを達成。走行性能を追求したルーチェらしい独自性は今も光り輝いている。

DOHC化により200psの大台に乗った3L V6エンジンなど【写真4枚】


OWNER’S VOICE/鈴木 薫さん

HCルーチェを3台20年乗り続けるフリーク



「リアのここからの角度が好きなんです。カッコいいなぁ」と撮影中に話していた鈴木薫さんは、単なる「ルーチェ好き」という言葉では収まらない経歴の持ち主。なんとHCルーチェ歴は3台20年にも及ぶのだ。1台目は内装がエンジの2000リミテッドを2年落ちで購入し、10年間所有。NAのパワー不足を感じ、2台目は2000ターボをチョイス。5万円の個体を6年間乗る。

 そして3台目が現在の愛車だ。友人が乗る3Lの出足の良さに感動したのがきっかけで、間もなく丸4年を迎える。ちなみに、鈴木さんはLA22Sルーチェのロータリーにも乗っていたことがあり、それを加えればすべてのエンジンを制覇したことになるのだから、脱帽だ。

「ウインドーガイドレールやラジエーターの水漏れなど、定番ウイークポイントを押さえておけば致命的なトラブルはないですよ。頑丈なクルマです」と話す鈴木さん。酸いも甘いも知り尽くしたHC乗りの言葉は、何よりも説得力があった。


1989年式 マツダ ルーチェ 4ドアハードトップ 3000 V6DOHC リミテッド(HCSS)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4820×1705×1395
ホイールベース(mm) 2710
トレッド前/後(mm) 1440/1450
車両重量(kg) 1500
エンジン型式 JE型
エンジン種類 V型6気筒DOHC
総排気量(cc) 2954
圧縮比 9.5:1
最高出力(ps/rpm) 200/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 26.5/4500
変速比 1速2.841/2速1.541/3速1.000/4速0.720/後退2.400
最終減速比 4.100
燃料タンク(L) 70
ステアリング ラック&ピニオン式
サスペンション前/後 ストラット/マルチリンク
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 195/65R15(前後とも)
発売当時価格 263.7万円(90年2月)

初出:ハチマルヒーロー vol.20 2013年02月号(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

DOHC化により200psの大台に乗った3L V6エンジンなど【写真4枚】

1989年式 マツダ ルーチェ 4ドアハードトップ 3000 V6DOHC リミテッド(全3記事)

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photo : AKIO HIRANO/平野 陽 text : Rino Creative/リノクリエイティブ

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