〈2013年〉あのときのサプライズ|50年の時を超えて、ホンダ スポーツ 360が復刻

1962年に行われた第9回全日本自動車ショーに出展されたホンダスポーツ360。特振法対策で実際に発売されなかったが、50年の時を 超え、2013年11月開催の東京モーターショーに出展。

       
【ホンダ スポーツ 360が復刻】

 それは、ホンダS50周年記念イベントが無事終了し、懇親会が始まる直前に起こった。

 ホンダから報告があるとの連絡が届き、われわれは1つの部屋に集合。そこで、本田技術研究所技術広報室長の山本雅史さんから発表されたのは、本田技術研究所四輪R&Dセンターを中心とした技術伝承プロジェクトがスポーツ360を復刻したという報告。しかも、ホンダの部署間を超えた協力態勢により、当時の図面、試作車のストック部品の供給、開発者との意見交換をもって製作された、本家本元のスポーツ360。そのクルマを11月開催の東京モーターショーで展示するという。

 最後に「実はここに持って来ています」という山本さんの言葉に大歓声があがり、廊下に出てみると、そこには銀色に光り輝くスポーツ360が……。

 50年の時を超えて、モーターショーに展示されるスポーツ360。これは軽への注力、F1復帰など原点回帰するホンダの象徴というべき存在だ。


持ち込まれたスポーツ360にむらがるSオーナーと取材陣。

少々錆びている点が本物であることをアピールする当時の試作車のストックパーツであるエンブレムなど【写真8枚】

ホンダ スポーツ360 主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 2990×1295×1146
ホイールベース(mm) 2000
最低地上高(mm) 160
車両重量(kg) 510
車定員(名)2
最高速度(km/h) 120
エンジン種類 水冷直列4気筒4サイクルDOHC
総排気量(cc) 354
最高出力(ps/rpm) 33ps/9000rpm
最大トルク(kg-m/rpm) 2.7kg-m/7000rpm
燃料タンク容量(L) 25
ステアリング ラックアンドピニオン式
サスペンション前/後 イッシュボーン・トーションバー/トレーリングアーム・コイルスプリング
ブレーキ前/後 リーディングトレーリング形式油圧ドラムブレーキ
タイヤ 5.20-12-2PR(前後とも)

初出:ノスタルジックヒーロー 2013年12月号 Vol.160(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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text & photo : NOSTALGIC HERO/編集部

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