「当時でも珍しい無改造のクルマで、ボディはキレイな状態であったが、エンジンはひどかった」|1978年式 マツダ・サバンナRX-7 GT Vol.3

リトラクタブルヘッドライトだけではない。リアゲートも総ガラス製のグラスハッチバックとなり、SA22Cが持つスポーティーなスタイリングに寄与している。

       
【1978年式 マツダ・サバンナRX-7 GT Vol.3】

 撮影車両のオーナーであるREOM代表の阿部俊行さんは25年前、このSA22Cを譲られた。「当時でも珍しい無改造のクルマで、ボディはキレイな状態であったが、エンジンはひどかった」と阿部さん。もともとマツダオート西東京のメカニックであり、レーシングカーも手がけていた経験を持ち、独立し、REOMを立ち上げた後は、多くのREを甦らせてきた。そんな阿部さんにとって良い状態にクルマを直すことはわけなかったはずだが、そのままの状態で20年以上が経過。

 ふと気がつくと周りからSA22Cがどんどん消えている。阿部さんは、残しておいた新品の12A型REを使ってレストアを開始。在庫の消耗部品も惜しみなく投入し、最高の状態に仕上げたのだった。レストア完了後は広島のマツダ本社まで自走。その完成度を自らの運転で実証してみせた。

 ロータリーにとって、最も幸せだったといえる時代をメカニックとして過ごした阿部さん。彼の持つ能力と情熱によって仕上げられたSA22Cは、現在、もっとも状態の良い車両の1台と言えるであろう。


1978年式 マツダ・サバンナRX-7 GT(SA22C)主要諸元
全長4285mm
全幅1675mm
全高1260mm
ホイールベース2420mm
トレッド前/後1420/1400mm
最低地上高155mm
室内長1460mm
室内幅1360mm
室内高1030mm
車両重量1005kg
乗車定員4名
登坂能力tanθ0.72
最小回転半径4.8m
エンジン型式12A型
エンジン種類水冷直列2ローターロータリー
総排気量573×2cc
圧縮比9.4:1
最高出力130ps/7000rpm
最大トルク16.5kg-m/4000rpm
変速比1速3.674/2速2.217/3速1.432/4速1.000/5速0.825/後退3.542
最終減速比3.909
燃料タンク容量55L
ステアリング形式コラプシブルボールナット式
サスペンション前/後ストラット式コイルスプリング/4リンク+ワットリンク
ブレーキ前/後ベンチレーテッドディスク式/フィン付きドラム(L&T)式
タイヤ前後とも185/70SR13
発売当時価格144万円

初出:ノスタルジックヒーロー Vol.159 2013年10月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)


83年に発売されたBDファミリアのものと同じデザインとなっているSA22C純正のフロアマットなど【写真7枚】

1978年式 マツダ・サバンナRX-7 GT記事一覧(全3記事)

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photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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