「街でオシャレに乗れる旧車」がコンセプトのチューンドGT-R|1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.3

純正テールにフルLED加工を施し、クラシカルなデザインと現代的なテイストを融合。

       
【1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.3】

 鮮やかなレッドボディが目を引くこのハコスカGT-Rは、「街でオシャレに乗れる旧車」がコンセプトだ。

 S20型エンジンは2.4Lにボアアップされているが、あくまでも気持ちよく街乗りできることを重視して、高回転仕様になり過ぎないようにセッティングされている。排気量アップで低速トルクが向上したため、高回転寄りの300度カムを組み合わせても低速時のトルクの落ち込みは皆無。低回転から高回転まで気持ちよく吹け上がり、街乗りからサーキットまでマルチにこなせる1台に仕上げられた。

 一般的に、ハコスカGT‐Rでは走りに特化したモディファイがスタンダードだが、このクルマは走りに関するチューニングはもちろん、見せる要素にもしっかりこだわっているのが特徴だ。ヘッドカバーやパイピング、特注シートなど、要所にレッドをあしらってボディカラーとトータルコーディネート。HIDヘッドライトやLEDテールなど、現代的な技術を導入することで実用性も向上させている。

「快適に街乗りできて、サーキット走行もこなせる」仕様に仕上げられた真紅のハコスカGT‐R。生産から40年以上が経った今もなお、ストリートやサーキットで存在感を見せつけるその姿は、まさにハコスカGT‐Rの「正常進化形」と言えるだろう。


純正よりも明るめのレッドでオールペイントされたボディ。「コテコテではなく、あくまでもさりげなく、渋く」というオーナーの希望で、埼玉県のプロショップ「RSスタート」がここまで仕上げた。


サーキット走行を楽しむこともあるが、基本は街乗りがメインだという。


RSスタートのワイドオーバーフェンダーを装着して、ワークのマイスターCR01を履く。サイズはF:8.5J×15、R:10J×15。あえて定番ホイールを外して現代的なテイストを加え、スポーツ感とオリジナリティをさらに強調した。


鮮やかなレッドのヘッドカバーは、結晶塗装ではなく光沢のある艶やかな仕上げ。タワーバーはRSスタートのカーボン製をチョイスしている。 


中間パイプには音量切り替えのためのバルブをセット。車内からエキゾーストの音量を調節できる「大人の仕様」だ。


座面に鮮やかなレッドレザーをあしらったスペシャルオーダーのフルバケットシートで、ボディカラーとのバランスとレーシーなイメージを両立。シートベルトはサベルトの4点式で、ストリートはもちろん、サーキット走行にも対応している。


ゴルフの足としてGT-Rを使用することもあるため、ゴルフバッグが積めるようにトランク内は極力ノーマルのまま残されている。トランク形状に合わせてマットも製作。


センタークラスターに違和感なく埋め込まれた油圧、油温、水温の3連メーターは、Defiをチョイス。

1972年式 日産スカイラインHT 2000 GT-R
●エクステリア:可倒式メッキ牽引フック、前後カーボンオーバーフェンダー、カーボンリアスポイラー、LOWライトHID(8000K)、テールランプオールLED化
●エンジン:S20型改2.4L、ボアφ83mm × ストローク73mm、カムシャフト(300度)、鍛造ピストン、I断面コンロッド、フルカウンタークランクシャフト、レース用ウォーターポンププーリー、オルタネーターBlackオルタネ—ター(低抵抗IC90A)、ディストリビューター、オイルキャッチタンク、ブルーポイントプラグ、マスターバック&マスターシリンダーセット7/8、ワークスタイプφ16mmスタビライザー、カーボンタワーバー、チタン製強化ヒーターパイプセット
●吸排気系:ウエーバー45DCOE9(ベンチュリー34、メイン160、エア235、ポンプ45、アイドル50 F6)、100mmファンネル、6-1等長ステンレスタイプタコ足(出口φ42.7mm、集合部φ70mmシングル)、音量切り換え中間マフラー、ステンレスデュアルマフラー
●点火系:MDI-D
●冷却系:3層オールアルミラジエーター
●駆動系:71Cクロスミッション組み替え
●足回り:オーリンズ車高調(20段減衰力調整式、直巻スプリング4kg/mm〜20kg/mm)、ピロテンション強化ブッシュ、リアゼロキャンバーアーム
●ブレーキ:ブレンボブレーキKIT
●タイヤ:ブリヂストン ポテンザRE-11(F205/50R15 R225/50R15)
●ホイール:マイスターCR01(F15×8.5J R15×10J)
●内装:ナルディステアリング、バケットシート張り替え、ユピテルレーダー、ETC、Defi油圧・油温・水温計
●トランク:コレクタータンク、電磁ポンプ


初出:ノスタルジックスピード 2014年11月 Vol.005 (記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

車内からエキゾーストの音量を調節するためのバルブをセットした中間パイプなど【写真8枚】

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text:Kazunari Iwata/岩田一成 photo:Makoto Inoue/井上 誠

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