「GT‐Rの出物があるから」。マイベストのアイボリーのPGC10がそこに。5年がかりで仕上げた240ZGを下取りに出し購入|1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10) Vol.3

全てはGT-Rでサーキットを存分に駆け回るために!前人未踏のチューニングに挑む。

       
【1969年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10) Vol.3】

オーナーの渡辺さんは今から15年前、5年がかりで仕上げた240ZGがようやく完成し、これから乗って楽しもうとしていた矢先、知り合いから「GT‐Rの出物があるから、見に行こう」と誘われ、出合ったのがこのアイボリーのPGC10だった。

「当時のGT‐Rも、今と変わらず値段の高い憧れのクルマでした。でも、240ZGにかけた改造費などを考えると、実はそんなに変わらないんじゃないかと思って。それと、見に行ったクルマが、自分が子供のころからベストだと考えていたアイボリーのPGC10だったこともあり、Zを下取りに出して購入しました」

 そう話してくれた渡辺さんが手にしたGT‐Rは、すでにカムやポートをチューンナップしてある200ps仕様。とはいうものの、イマイチ調子が悪く、ここから渡辺さんとS20型エンジンの、長く険しい歴史が幕を開ける。L型とは違い、S20型のチューニングをこなせる専門店は少なく、何件かのショップに通った後、アール・ファクトリーの門を叩いたときは、GT‐R購入からすでに4年の時間が経過していた。この段階でアール・ファクトリーが十分なノウハウを蓄積していた2.3L化を依頼。さらにヘッド回りやハイカムの入れ替えを行い、渡辺さんのS20型エンジンとPGC10はその戦闘力を増していった。

 そして2013年、2.5L化を果たし、この時にカムギアトレーンなどを導入し、足回りなども一新。ついに富士スピードウェイで自己ベストとなる2分4秒台のタイムを達成したのだ。

Vol.4に続く


外装はノーマル派ながら、2013年に軽量化のため、ボディをリニューアル。ボンネット、フェンダー、前後ドア、トランクリッドをリスタード製のFRPに変更し、フロント以外のウインドーは、常進技研製のアクリル製に交換。かなり軽量化されているはずだ。


ニスモ製6速ミッションに換装したことで、シフトレバーの位置が微妙にズレるが、センターコンソールの取り付け位置を微調整して装着。シフトレバーもかなりショートなタイプだ。


純正ではラジオもしくは目隠しのフタが付く位置に収まるのは、亀有製のメーター。左から油圧、油温、水温、A/F計で、万が一の時に備えて警告灯も追加されている。


ブロックの左側に外付けされたドライサンプ用のスカベンジングポンプ。ニスモ製FJ型エンジン用を流用していて、オイルラインの取り回しに苦労の跡がうかがえる。


定評のあるスギタラジエーター製の3層アルミラジエーターに、電動ファンを2基がけ。白いタンクはリザーバーで、青いボックスは和光テクニカルのCDIだ。カムギアトレーンを組み込んでいるため、チェーンテンショナーはなく、ボルトを挿入している。


アルミ削り出しで製作されたワンオフのオイルパンには、冷却用のフィンが刻まれ見た目も美しい。エンジンとミッションの間に装着されるバックプレートは、超々ジュラルミン(7075)製の超軽量タイプだ。

1969年式 日産スカイライン 2000 GT-R(PGC10)
●エクステリア:リスタード製FRP製ボンネット/フロントフェンダー/前後ドア/トランクリッド
●エンジン:アール・ファクトリーS20型改2.6L仕様(2582cc)/ボアφ85.5mm×ストローク75mm/カムギアトレーン/鍛造ピストン/I断面ロングコンロッド/フルカウンタークランク/スリーブ/300度カム/RB26型用バルブ/ヘッド加工/FJ型用3ステージドライサンプ仕様/ワンオフアルミ削り出しオイルパン、ATIスーパーダンパープーリー、超々ジュラルミン製軽量バックプレート
●吸排気系:ソレックス50PHH、アール・ファクトリーφ42.7mm等長タコ足(6-2)/φ75mmチタンマフラー(出口φ50mmデュアル)
●点火系:和光テクニカル製CDI、マロリー製デスビ、NGK製レーシングプラグ
●冷却系:スギタラジエーター、2連電動ファン、HPI製オイルクーラー
●駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、ニスモ6速(HPIバージョン)、R200+クスコLSD(ファイナル4.6)、Z31用等速ジョイント
●足回り:前後アラゴスタ製車高調(F:9kg-m/R:20kg-m)、フロントARC製スタビ、ピローボールパイプアーム、リア調整式アーム、ワンオフリアスタビ
●ブレーキ:フロントAPレーシング4ポットキャリパー&φ300mmローター/リアDR30用キャリパー&S12シルビア用ディスク
●タイヤ:(街乗り用)F:ブリヂストン・スニーカー195/50R15、R:アドバンA050 215/50R15(サーキット用)F:アドバンA050 205/50R15/R:215/50R15
●ホイール:RSワタナベ F:15×7J/R:15×8.5J(サーキット用はマグ)
●内装:レカロ製SP-Gフルバケットシート(運転席)、ダッツンコンペステアリング、サイトウロールケージ製6点式ロールケージ、TAKATA製4点式ハーネス(運転席)、ウィランズ製4点式ハーネス(助手席)、大森製タコメーター、亀有製燃圧/油圧/油温/水温計、INNOVATE A/F計、レース用ワイドミラー
●その他:ODYSSEY製乾式バッテリー、ATL製燃料タンク(45L)、コネクタータンク、燃料ポンプ(ニスモ電磁ポンプ、FJ型用、ボッシュ製の3基)、常進技研製アクリルウインドー

初出:ノスタルジックスピード 2014年11月 Vol.005 (記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

定評のあるスギタラジエーター製の3層アルミラジエーターに、電動ファンを2基がけの冷却系など【写真7枚】

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Motosuke Fujii/藤井元輔

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