このスイッチいっぱいのコクピットを! ロータリーエンジンとターボ、空力フォルムが見事に合体|1984年式 コスモ 2ドアハードトップ ロータリーターボ リミテッド Vol.2

オーナーの好みでモディファイされたコクピットまわり。ステアリングはφ350mmのMOMO製コンペティションをチョイス。グローブボックスの位置には、ワンオフのアルミパネルにDefiの4連メーターを配置。左から油温、油圧、水温、ブーストの順。フロアマットはカロ製をチョイス。

       
【1984年式 コスモ 2ドアハードトップ ロータリーターボ リミテッド Vol.2】

この状況が一変したのは、1年後の82年10月。時代の流れに乗り、ついにターボエンジンが搭載された。しかも、世界で初めてロータリーをターボ化したのだ。ベースとなるのは従来型4ポートの12A型で、そこに日立製ターボチャージャーを組み合わせた。この新パワーユニットは、最高出力で30 psアップの160psというハイパワーを誇り、最高速213・33km/h、0‐400m加速15・73秒をマーク。当時の日本最速市販車の名をほしいままにした。このパフォーマンスにファンが熱狂したのは言うまでもない。

 ロータリー攻勢はその後も続き、12A型ロータリーターボは、専用開発のインパクトターボで165psにパワーアップ。また、スーパーインジェクション仕様により160psに出力が向上したNAノンターボの13B型も投入された。

 デビュー時こそファンは疑問を感じ、厳しいシリーズとなることも予想された。しかし、ふたを開けてみれば、世界トップクラスの空力性能、世界初のロータリーターボ搭載と、エポックメイキングな1台となった。やはりコスモはマツダ渾身の力作だったのだ。

1984年式 コスモ 2ドアハードトップ ロータリーターボ リミテッド Vol.3に続く

コスモ 2ドアハードトップ ロータリーターボ リミテッド主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4665×1690×1340
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1430/1425
車両重量(kg) 1205
エンジン型式 12A型(EGIターボ付)
エンジン種類 水冷直列2ローター・ロータリーターボ
総排気量(cc) 573×2
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 165/6500
最大トルク(kg-m/rpm) 23.0/4000
変速比 1速3.622/2速2.186/3速1.419/
4速1.000/5速0.791/後退3.493
最終減速比 4.100
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション 前ストラット式/後セミトレーリング式
ブレーキ 前後ともベンチレーテッドディスク
タイヤ 195/70SR14(前後とも)
発売当時価格 248.5万円

HKS製インタークーラーユニットを組み込んだ12A型EGIターボエンジンなどの詳細【写真6枚】

掲載:ハチマルヒーロー vol.17 2012年5月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text: TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ photo:KAZUHISA MASUDA/益田和久

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