カバーの中のリトラクタブルヘッドライトは4灯!|1984年式 コスモ 2ドアハードトップ ロータリーターボ リミテッド Vol.1

フロントグリルにあるバッジは、オーナーの好みでFC3S RX-7のボディサイドに付いているものを流用。ロータリーターボモデルであることを主張する。

       
【1984年式 コスモ 2ドアハードトップ ロータリーターボ リミテッド Vol.1】

世界初の量産ロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツをルーツに持つコスモは、マツダを象徴するスペシャリティーカー。それだけに失敗は許されない重要なモデルとして位置づけられていた。しかし、3代目コスモの船出は順風満帆とは言えなかった。

 81年9月のデビュー時に用意されたのは、最もアピール性の高いイメージリーダーの2ドアハードトップ(後に4ドアハードトップやサルーンを追加)。斬新なエクステリアは、4灯式リトラクタブル・ヘッドライトや低いボンネットと薄いラジエーターグリルが特徴だ。この結果、世界トップクラスのCd値0・32という空力性能を誇った。ここにマツダがこのクルマに込めた熱意が伝わってくる。

 しかし、そこに収められたエンジンは、正直ファンをがっかりさせるものだった。というのも、デビュー時はロータリーではなく、2L直列4気筒SOHCのみだったのだ。同年11月に満を持してロータリーが投入されるが、それはパワフルさに定評があった13B型ではなく排気量の小さい12A型。オイルショックや排ガス規制を経た結果、12A型には燃費対策が施され、合計6つの吸気ポートを持つ6PI(ポート・インダクション)と呼ばれる新技術を採用した。

実際、従来型以上の燃費は記録したが、パフォーマンス面ではファンが期待するレベルにはなかった。

1984年式 コスモ 2ドアハードトップ ロータリーターボ リミテッド Vol.2、Vol.3に続く

コスモ 2ドアハードトップ ロータリーターボ リミテッド主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4665×1690×1340
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1430/1425
車両重量(kg) 1205
エンジン型式 12A型(EGIターボ付)
エンジン種類 水冷直列2ローター・ロータリーターボ
総排気量(cc) 573×2
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 165/6500
最大トルク(kg-m/rpm) 23.0/4000
変速比 1速3.622/2速2.186/3速1.419/
4速1.000/5速0.791/後退3.493
最終減速比 4.100
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション 前ストラット式/後セミトレーリング式
ブレーキ 前後ともベンチレーテッドディスク
タイヤ 195/70SR14(前後とも)
発売当時価格 248.5万円

角形4灯のリトラクタブルライトをアップした写真やマツダスピード製のリアスポイラーなど【写真6枚】

掲載:ハチマルヒーロー vol.17 2012年5月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text: TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ photo:KAZUHISA MASUDA/益田和久

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