量産車ターボ時代の80年代。後にパワー戦争に発展!?|1980年代 ターボ 百花繚乱時代 Vol.2

シャレードに1984年1月に設定されたデ・トマソ・ターボ。

       
1980年代の前半から中盤にさしかかった頃。

 各メーカーはミドルクラスやコンパクトカークラスにターボ搭載車を送り込んでいる。ホンダは1982年9月、トールボーイのシティに1.2 Lのターボエンジンを搭載。翌83年10月には空冷インタークーラーで武装したターボII(通称ブルドッグ)を投入した。ダイハツも3気筒のリッターカー、シャレードにターボを設定し、1984年1月にはデ・トマソ・ターボも登場する。

 ロータリーエンジンにターボを組み合わせた夢のコンビを実現したのはマツダだ。SA22CサバンナRX‐7の12A型ロータリーエンジンにターボをドッキングしている。1985年9月に登場した後継のFC3S RX‐7では一段とパワフルな13B型ロータリーにターボを組み合わせ、人気者となった。

 レシプロエンジンもSOHCターボからDOHCターボ、そしてDOHC4バルブターボへと進化していく。

 1982年9月、トヨタは1.8Lの3T‐GTEU型DOHCターボをセリカやカリーナなどに搭載し、発売する。これが日本初のDOHCターボだ。

1983年2月にはスカイラインRSがDOHC4バルブのターボ版を市場に放ち、その1年後にはインタークーラーを追加して「史上最強」を誇示している。日産はV型6気筒エンジンにもターボを組み合わせるなど、意欲を見せた。

 1986年初頭にトヨタはソアラとスープラを送り出す。3Lの直列6気筒DOHCターボに加え、ターボユニットを2基備えた2LのDOHCツインターボの1G‐GTEU型も投入する。シーマのようなパフォーマンスセダンも登場した。

80年代後半は高性能を競うようになり、ついに最高出力280psレベルに到達している。自主規制の名目で最高出力は280psが上限となったのは競争が激化したからだ。また、高性能エンジンを支配下に置くため、4WDシステムも導入され、定着した。

 550ccの軽自動車もパワー競争が激化し、スズキはアルトワークスを投入する。が、刺激が強かったため64ps規制の引き金となった。時代の最先端をいく多くのターボ技術が開花したのが1980年代だ。


1982年9月にターボチャージャー付きのシティターボを発売。83年10月にはインタークーラー付きターボ(通称ブルドッグ)を投入した。


ハイソカーとして一世を風靡した初代Z10ソアラ。M-TEU型2000 SOHCターボを搭載。同型エンジンはクラウン、チェイサー、クレスタにも載せられた。


後期型R30スカイラインの最終形のインタークーラー付きターボの2000ターボインタークーラーRS-X。バンパー下の左にある大きめの導風口が特徴。


マツダは1982年8月にコスモ/ルーチェに12A型にターボをドッキングさせ160psを発揮。その後、翌83年にサバンナRX-7にも搭載。サバンナRX-7では165psというパワーを実現している(コスモ/ルーチェでもマイナーチェンジでパワーアップ)。


A60セリカXXは1981年7月に登場。82年2月にM-TEU型2000 SOHCターボを搭載したターボS/Gが追加された。セリカXXはスープラに昇華し、名前は消滅した。


1980年4月に追加発売された910ブルーバードハードトップターボSSS-X Gタイプ。エンジンはZ18E・T型。総排気量は1770cc。


1987年2月に発売されたアルトワークス。3気筒4バルブDOHCインタークーラーターボを搭載した究極の軽スポーツ。軽自動車に64psの出力規制が設けられた発端となったクルマだ。

掲載:ハチマルヒーロー vol.16 2011年 11月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです) ]

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text:Kataoka HIdeki/片岡英明

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