1981年式 マツダ サバンナRX-7 GT【2】「ロータリーの負のイメージはロータリーで取り返す」

1981年式 マツダ サバンナRX-7 GT。12A型は79年に希薄燃焼型となり、同時に浄化方式も触媒に変更。さらに80年にガスシールを改善、81年に6PI(ポートインダクション)へ進化。この個体は6PI以前となる。さらに、83年に追加された12A型ターボは、最高出力165psを発揮

【孤高のロータリーエンジン 1981年式 マツダ サバンナRX-7 GT vol.2】

情熱はさらなる進化をもたらした

 核となるのは、なんと言ってもロータリーエンジンだ。だが当時、ロータリーエンジンは「燃費が悪い」というレッテルが貼られていた。さらに排ガス規制も年々厳しくなっていく。しかし、マツダはロータリーを諦めなかった。ロータリーエンジンはもともとNOxの排出量が少ないというメリットがあった。そこにサーマルリアクター方式の排ガス浄化システムを採用するなどして、従来型より40%もの燃費向上を達成。その一方で最高出力130psというハイパワーも兼ね備えた。「ロータリーの負のイメージはロータリーで取り返す」。このエンジンはそんなマツダの情熱が生み出したのだ。

 これほどのクルマをファンは放っておくはずもなく、デビュー直後からバックオーダーを抱えるほどの大ヒットを記録。その後も12A型ロータリーは改良が加えられ、進化を続ける。また、80年には内外装をリフレッシュし、一体型ウレタンバンパーなどを採用。そして、1983年には12A型ロータリーにターボを装着し、完成形に達した。


【画像16枚】80年の改良(中期)でメーターのデザインを変更。3眼は同じだが、中央のタコメーター内に電圧計を、左には燃料、水温、油圧計を配置した

2つのローターハウジングが並ぶ12A型。排気量は573㏄×2。
>>2つのローターハウジングが並ぶ12A型。排気量は573㏄×2。

ボディ一体型ウレタンバンパーやエアダムスカートを採用した80年の改良以降が中期と呼ばれる。ターボ搭載の後期ではドアミラーを採用しているくらいで、大きな変更はなし。
>>ボディ一体型ウレタンバンパーやエアダムスカートを採用した80年の改良以降が中期と呼ばれる。ターボ搭載の後期ではドアミラーを採用しているくらいで、大きな変更はなし。


中期ではサイドモールの幅が太くなっているのも変更点のひとつ。
>>中期ではサイドモールの幅が太くなっているのも変更点のひとつ。



1981年式 サバンナRX-7 GT(SA22C)

全長×全幅×全高(㎜)4320×1670×1265
ホイールベース(㎜)2420
トレッド前/後(㎜)1420/1400
車両重量(㎏)980
エンジン型式 12A型
エンジン種類 2ローター・ロータリー
総排気量(㏄)573×2
圧縮比 9.4:1
最高出力(ps/rpm)130/7000
最大トルク(㎏-m/rpm)16.5/4000
燃料タンク(ℓ)55
変速比 1速3.674/2速2.217/3速1.432/
4速1.000/5速0.825/後退3.542
最終減速比 3.727
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ストラット/4リンク+ワットリンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/70SR13(前後とも)
発売当時価格 154.0万円

【3】へ続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


ロータリーエンジン搭載のRX-7 伝説はここから始まる(全3記事)

関連記事:孤高のロータリーエンジン

関連記事:マツダ

text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Isao Yatsui/谷井 功

RELATED

RANKING