Studie BMW M4、初夏の鈴鹿戦で連覇‼|2023 AUTOBACS SUPER GT Round3 SUZUKA GT 450km RACE

MOTOR THINGS 2023/06/19

6月3日・4日、SUPER GT第3戦「SUZUKA GT 450km RACE」が三重県は鈴鹿サーキットにて開催。第2戦FSW同様、450㎞で争われた。思いもよらない結末が待っていた、このレース。ピット戦略が運命を分けた。

3日の予選は前日の警報級の豪雨が嘘のような快晴の下で始まった。GT300クラスはA・Bの2グループに分かれQ1を争った後に、各グループ上位8台がポールポジションを争うQ2に駒を進めることができる。

Q1では7号車Studie BMW M4が、予選時間残り10秒となったラストアタックで2番手タイムを記録。また、クラス最大重量となる72kgのサクセスウエイトを積む65号車LEON PYRAMID AMGが8位へ飛び込む。Q2へは7号車と65号車、87号車Bamboo Airways ランボルギーニ GT3、88号車JLOC ランボルギーニ GT3の4台が進出するも、Q2では国内勢が活躍を見せ88号車ランボルギーニの10番手が欧州勢最高位となった。

 4日の決勝日は雲に覆われたが、気温は28度、路面温度46度の中スタートを迎えた。今回も前戦の富士同様の450kmで争われる。2度のピットインが義務付けられマシンの特性などで各チームの戦略の違いが現れるレースとなる。

クリーンなスタートを切った直後の2周目に国内勢数台と併せて7号車BMWがスプラッシュ&ゴー(給油のみ)のため変則的なピットインを行う。後にこのスップが大きく順位を動かすこととなる。

レース6周目、ホンダNSXのリアタイヤが脱落するアクシデントによりFCY(フルコースイエロー)を経て、SC(セーフティーカー)が導入となり10周目にピットレーンがオープンされた。同時に65号車、6号車DOBOT Audi R8 LMS、4号車グッドスマイル 初音ミク AMG、87号車が続々とピットイン。レースリスタート後にほとんどのマシンが1度目のピット義務を消化する中、走行を続けていた88号車が26周目にクラストップに躍り出る。

88号車のピットイン後は、16番手スタートから3番手へ着実に順位を上げて来た7号車が39周目に2番手のトヨタスープラと同時にピットイン。ここでスープラのタイヤ交換でタイムロスが発生したことで7号車が先行し、事実上2番手に浮上する。44周目には予選からトップを守っていたスバルBRZがピットインしたことで、レーススタート直後にスプラッシュしていた7号車を含めた3台がトップ集団を牽引し、レースを展開して行く。

しかし、450kmのレースも残り20周を切った59周目。日立Astemoシケイン手前でGT500クラスと87号車を含む数台が絡む大クラッシュが発生しSC導入の後に赤旗が掲示されレースが中断に。その後もコースの復旧が見込めないことから前述の赤旗をもってレース終了となり、7号車が昨年に続き第3戦鈴鹿のウィナーとなった。

bmw
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スプラッシュ&ゴー戦略が功を奏し、見事に優勝を果たした#7Studie BMW M4。柳田真孝選手(左)と荒聖治選手。


AMG
#65 LEON PYRAMID AMGは開幕戦と第2戦が続けて好成績だったためサクセスウェイトは72kgに。決勝の結果は12位。

audi
ロベルト・メリ選手が欠場し、片山義章選手と第3ドライバーの神 晴也選手の2名で戦った#6DOBOT Audi R8 LMSは15位だった。

amg
FCYが解消された直後に、給油義務にはカウントされない給油を行い、ピット作業のロスタイムを減らす作戦をとった#4グッドスマイル 初音ミク AMG。決勝の結果は18位。




写真=南 博幸 Minami Hiroyuki 文=鈴木華子 Suzuki Kako