【ドシャコ昭和旧車!!】強烈なヤリ込みを感じさせない究極の激低ストックフォルム! 純正パーツを生かした匠の落とし方が光る初代セドリック

超絶フロア加工とエアサス投入で見事な着地フォルムをメイクする初代セドリック

       
昭和車特有の美を損なわない匠のカスタム技が見どころ!

【画像14枚】最新技術をクラシカルにインストールするインパネまわり、ストック重視でフルトリムする室内、スペシャルなユニット搭載でプレミアムなサウンドをメイクするオーディオなど、気になるカスタマイズの内容はココからチェック!!

昭和ど真ん中の昭和38年型セドリック。
ビカビカに光るメッキパーツと美しいピアノブラックのボディがタダゴトではないことを物語る。

オーナーはもともと旧車好きで、ベースを探していたところに、グッドコンディションの初代セドリックを発見。
古き良き昭和を感じさせるフロントマスクと、アメ車の風合いを色濃く残すリアのスタイリングに撃ち抜かれてしまった。

そんな極上ベースを手に入れてしまったオーナーは、「リーフが未来系なら、セドリックは温故知新。新旧ニッサンで超絶アピール!」と、超絶セドリックカスタムを開始!!

ボディはできるだけストックを意識し、メッキパーツは再メッキするなど、フルレストアを敢行。
さらに、このスタイリングだからこそ、ドシャコは絶対と、ユニバーサルエアーに持ち込んだ。
オーダーはスラムドとスーサイドのみ。

着地を目指すためにフロアのかさ上げにはじまり、リアをフレーム化してリンク式に変更。
前後に8インチのシングルバッグを装着できるよう、ほぼ足回りをワンオフ製作した。

さらにスーサイドドアもエアサス屋が作る特別品ということで、エアで開き、アクチュエーターで閉じるというギミックを内蔵。
エアサスもスーサイドもリモコン操作できる仕様とした。

そして内装&オーディオは、リーフも仕上げた尾林ファクトリーが担当。
シートやドア回りも総張り替えされているが、こちらもあくまでストックを意識し、グラウンドゼロのオーディオ群も徹底してみせないインストールにこだわった。

圧巻は電動でリフトするリアシート。
持ち上がったシートの下にはグラウンドゼロの真空管アンプが収められ、EMMAなどのオーディオコンテストを狙えるサウンドマシンとしての一面も込めた。

すでにヴィンテージカーとして扱われている昭和中期のセダンを、最新の機器とアイデアでカスタムした本作。
中も外もメタメタにやり込んでいるが、それを微塵も感じさせないビルダーたちのワザに、ただただ感服する1台である。



>>ユニバーサルエアーのユニットがトランクルームを埋め尽くす。今回はエアサスで着地させるため、フロアを盛大にかさ上げし、タイヤハウスも室内まで拡大。さらに、リアはエアサスで着地するために、モノコックボディをぶった切り、フレーム化したうえで、リンク式に変更したり、ナックル取り付け位置を上げるなど、MTカスタムばりのハードなメニューが施されている。


>>昭和の日本を感じさせるグラフィックをさり気なく入れたいということで、トランクフードには富士山と舞妓さんをバックにした愛車を描く。こちらはエアブラシアーティストのTOMOHIRO氏渾身の作品だ!


>>テールレンズそのものは純正のままだが、内部をLEDに変更し、アウディモチーフの点灯パターンに加工。クルマ全体にライティングメイクを施すとクドいと考え、テールのみの加工に抑えたとのこと。




>>腹下のスペースを稼ぐため、ドライブシャフトやマフラーの位置も変更。なるべく純正パーツを生かすことを重視している。さらに足回りをまっすぐ落すために、トラッキンでいうとこのワットリンクをデフに組み、車高が変化しても左右に振れない構造となっている。


>>超絶フロア加工とエアサス投入で見事な着地フォルムをメイク! 純正パーツを生かした匠の落とし方が光る。


>>ステアリングは純正を再メッキして、センターには藤マークをIN。純正メーターは再生不可能だっため、ダコタのアナログメーターを装着。ヘッドユニットは往年の名機アゼストのDRX-9255だ。


>>後部座席のリアトレイの両側には、スピーカーを埋め込み、中央の空きスペースには工具箱をインストール。スポンジマットを重ねてレーザーでくり抜くなど、まるで純正品のような仕立てとなっているのがポイント。


>>内装はストックの意識で総張り替え済み。シートもフレームやスプリングはそのままだが、クッションを分厚く変更して乗り心地も高めている。


>>ドアは運転席にだけ存在していたジッパーのアクセントをすべてのドアに拡大! あくまでもストック風デザインで作り変えている。


>>オーディオは、高音質なアナログサウンドにこだわるため、グラウンドゼロのハイエンドモデルで固めるのだが、「昔のコンテストを意識した、あえて見せないインストール」を目指し、シート下など目立たないところに設置。しかし、ただ隠すだけでは芸がないと、リアシート下の巨大な収納スペースを加工し、電動でリアシート全体が持ち上がるギミックを施している。さらに、観音開きにするため、スーサイド化したリアドアは、エアシリンダーで開き、アクチュエーターで閉めるといった電動開閉システムを採用している。


>>ユニットはグラウンドゼロの真空管アンプなど、超一級のモデルを惜しみなく投入。世界限定(日本には2個のみ!)モデルだけに、アピールしたくなりそうなものだが、「純正車内のデザインを生かす」と、見えない個所に設置している。


>>足元にはミッドベース、ミッドレンジ、ツイーターが3つ並ぶ。運転席はスペースを確保するためにペダル位置を移動している。


>>1960年に誕生した初代(30型)は、純国産中型車両として誕生。前期モデルはヘッドライトが縦に並ぶデザイン、31型は横に並ぶデザインに変更された。ニッサン初のモノコックボディを採用し、1.5〜2.8リットルまで5タイプのエンジンを搭載。スタンダードとデラックスというグレードからスタートし、後にカスタム(今回のベース車両)とスペシャルが追加されて。前傾したAピラーや後のハコスカに影響を与えたフロントマスク、明らかにアメ車を意識したテールフィン形状が特徴的だ。

【画像14枚】最新技術をクラシカルにインストールするインパネまわり、ストック重視でフルトリムする室内、スペシャルなユニット搭載でプレミアムなサウンドをメイクするオーディオなど、気になるカスタマイズの内容はココからチェック!!


『カスタムCAR』2016年4月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:セドリック/1963年型
SOURCE:尾林ファクトリー、ユニバーサルエアー、イースコーポレーション、アライヴ ガレージ、Nクラフト

PHOTO/南井浩孝 TEXT/浦野浩之

RECOMMENDED

RELATED