【『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』TV放送記念】ブライアンの80スープラが蘇る!

シーンによってディテールが異なるバイナルデザイン。今回のカラーリングは劇中で80スープラが完成したシーンのカラーパターンを採用

       
【画像12枚】ワイスピ劇中車No.1人気の80スープラの全貌をCHECK IT UP!!

世界的なカーアクションムービーの金字塔『ワイルド・スピード』。シリーズとして爆発的なヒットを記録する同作品の中で、アイコン的存在として語り継がれているのが、1作目に登場した80スープラだ。特にラストシーンでの存在感は際立ち、ワイスピスープラに憧れる人は後を絶たず、実際に公開以降80スープラの価格帯が急上昇したほどだ!

とはいっても、劇中車を手に入れるのは現実的に不可能。それならレプリカをと考えるのは当たり前の結論だ。そんな単純明快な結論からこれまで数多くのレプリカが作り出されている。

そんな中で最も完成度が高く、さらにオリジナルを超えるクオリティで仕上げられたのが、BOMEXのスープラ。劇中車両にエアロパーツを供給したBOMEXが本気で作り上げたことでも話題を呼び、そのクオリティの高さから注目を集めた。そんなスープラを目にしたオーナーが憧れと嫉妬に燃えて、新たなワイスピオマージュとして、BOMEXにオーダーしたのがこのスープラなのである。

もちろん単なるレプリカ製作ではなく、+1センテンスのオリジナリティを加えることがビルダーであるボメックスレーシングのこだわり。そこで今回は最新のレーシングカーと同じレギュレーションを元に本気のロールケージを組み込む「究極のドレスアップカー」として作り上げられたという。本気のロールケージとはいっても、あくまでもストリートでの「ドレスアップ」をメインに構成。そのためレーシングカーとは違い、ケージはメタリックペイントが施され、なおかつ溶接留めではなくボルト組み立て式で仕上げられている。このロールケージに合わせてフロアもアンダーコートを全剥がししつつ、ロールケージ同様にメタリックペイントが施され、内外装ともにツヤツヤ極上ボディに仕上げられている。

 さらに、ボディパーツはもちろんBOMEXのフルコーデ&劇中車の発色を日本の太陽光の下でも再現できるようにオリジナルで調色。バイナルグラフィックも本家に倣ってアートファクトリーが担当し、最新技術を使ってフィニッシュ。まさに現代の技術とアイデアで蘇った、血統書付きワイスピスープラなのだ。




>>TRDのコンプリートカーにも採用され、当時一世を風靡したTRDボンネットはもはや絶版品として多くのファンが探し求めるお宝。そんなボンネットのダメージ品をオーナーが運よく見つけ、修復して装着したのがワイスピスープラを完成させた鍵。また、インタークーラーの冷却効率や夜間走行時の視認性をアップさせるBOMEXフロントバンパーなど、日本が誇る質実剛健アイテムは劇中マシンそのままのコーデを踏襲している。


>>インパネ周りはラフなイメージで劇中車っぽい雰囲気を作り上げる。とはいってもメーターのインジケーターや配線などはすべてワンオフで仕上げられている。


>>ベースカーが劇中車と同じ左ハン・エアロトップではなくハードトップのため、単なるレプリカ仕様ではなく+1センテンスを加え、オリジナリティを出すべく組み入れられたのが、GT3に出場するレーシングカーのレギュレーションに沿って製作されたロールケージ。特にリアから目視できるようにガゼット補強を加えたクロスバーを取り入れ、すべて2コートメタリックでガン吹き。本物のレーシングカーに合わせた構成ながら、レーシングカーとは違いボルト組み立て式という仕上げは、究極に手間がかけられている。


>>本気のロールケージを印象付けるため、サイドクロスバーもしっかりと取り入れられている。外装とは違いドライブしていて自分の視界に入るアイテムはワクワク感を一層高めるのに役立つ。


>>サイドクロスバーを組み合わせつつもドア内張りなどが使用できるように角度を計算しているのも特徴。加工も最小限にとどめることで、ストリートカーらしいコンフォータブルな使い勝手にも対応している。


>>ワイスピスープラを目標に据えながら、日本のストリートでも不自由なく使えるスペックに仕上げられたGTコンセプト。そのためリアウイングは保安基準に合わせてワンオフ製作しながら、軽量化のためにハーネスも不要なものを取り除き、最小限に抑えつつ、リアウインドーもポリカーボネート化。単なるレプリカとは違い劇中車の上位互換といった位置づけに仕上げられているのだ。


>>ホイールに関してはレーシングハートがすでに絶版で世界的な争奪戦が繰り広げられているため、近いフォルムのワークエモーション・T5Rをフィッティング。


>>ワイスピスープラ最大のアイキャッチであるロケットマンのデザインはトロイ・リーが製作したオリジナルデータ。ワイスピシリーズと深い関わりを持ち、日本で唯一オリジナルデータを持つアートファクトリーがバイナルの施工を担当。公開当時から技術は大幅に進化し、グラデーションなどエアブラシを必要とする部分も印刷でしっかりと再現できるようになり、クオリティが大幅にアップ。本物以上の緻密な仕上がりとなっている。実はシーンによってはバイナルデザインのディテールが異なるそうで、今回のカラーリングは劇中で80スープラが完成したシーンのカラーパターンを採用したとのこと。


>>チューニングカーベースとして国内外での高い評価は、搭載する2JZ-GTEエンジンとのバランスの良さが最大の特徴。劇中でもブライアンとドムが歓喜したこのエンジンは、当時の280ps規制によってパワーこそ抑えられていたものの、ブーストアップやタービン交換などによって簡単に上乗せ可能。カリフォルニアの太陽の下で鮮やかに輝くオレンジのボディにハイパフォーマンスエンジンの組み合わせこそ、ワイスピの世界観を表現してくれるのだ。



カスタムCAR2019年9月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

BASE CAR:スープラ(JZA80)/1996年型
SOURCE:BOMEX Racing三和自動車  / ART FACTORY GRAPHICS

PHOTO/南井浩孝 TEXT/渡邉大輔

RECOMMENDED

RELATED