地元のクルマ好きの仲間たちがオフロード系に傾倒していくなか、なんなら付き合ってやるよ! 的なノリでオーナーはFFディーゼルターボのプロボックスをゲット。アゲ系カスタムを指向するのなら、もっと楽ちんなベース車両がゴロゴロ転がっているはずなのに…… そう、ベースとしては意外性チョイスなのだ。
とはいえ、質実剛健な商用車はシンプルなプロポーションとタフで強靱な機関系が真骨頂。ユーズドカーであれば車両価格もこなれており、カスタムベースとしては申し分のない素材。そこでオーナーはアゲアゲなスタイルを獲得すべく足回りの工作から着手した。
まず、市販アフターパーツが雀の涙ほどしか存在しないのが現実のプロ/サクなので、純正サスペンションにかませるリフトアップブロックを前後ともにワンオフ製作。これに伴いフロントはRS-R製bB用車高調に高レートのスプリングを組み込み、リアにはワンオフ延長加工したKYB製ショックをセット。
足回り加工によって3インチほどのリフトアップを実現した後には、フロントバンパーの大胆なカットやボトムエンドのブラックアウト化で視覚的にも底上げ感を演出。ペイント関係は、バンパーからモール類に至るまで、デコボコした質感のチッピング塗装を施して雰囲気をアップさせている。
ちなみに田口サンはR33スカイラインのドリ車も所持しており、サーキット走行に赴く際は、プロボックスに大量のタイヤと工具を積み込み、サポートカーとしても活用しているのだとか。実はシャコ短ドリ車乗りでありながら、ON/OFF両刀使いができるマルチなカーガイってのがオーナーの実体。そんな彼は、挙げ句にDIYプライベーターというのだから、コリャ恐れ入ります!!
【画像9枚】アゲアゲ・スタイリングのプロボックス。3インチもアゲた足の秘密はコチラ!>>ルーフラックはホームセンターで販売されている汎用ラックを使用して車幅いっぱいサイズで製作。ちなみにルーフレールは近場に転がっていた他車種のものを屋根穴開けしてコーキングしながらビス留め。これで最大10本のタイヤホイールを積載できるのだとか。
>>取材車両のオーナー「ベース車がチープなこともあってあって、ためらうことなく思う存分イジり倒せるのも魅力かな。切った張った塗ったと、フルスケールのプラモデル感覚で楽しんでます。でも、愛着のある相棒なので、末永く乗り続けますよ!!」
初出:カスタムCAR 2020年1月号 Vol.495
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Base Car:2005年型 プロボックス