VW商用車の代表格は、なんと言ってもトランスポーター。初代のT1からT3まではアメリカでも販売されていた関係で、USDMマニアやイマドキのバンライフ派から引っ張りダコ! そして、そろそろ新型のT7バンがデビューするって事情から、古いのも新しいのも、とにかくVWトランスポーターが今アツいのだ。そんな時流に乗っかって、本誌も1台紹介してみることに。とは言え、そこは商用車好きな本誌だもの、意表を突いてT6.1のパネルバンっていう猛烈レアな車体をお届けっス!
オーナーは、これまでに空冷のビートルやUSフェイススワップ済みNV200、左ハンドルのNV200などを乗り継いできた、いわばVWとバンの申し子。そんな彼だけに、「ショーや街で目立つことよりも、自分のライフスタイルに合ったクルマ」としてT6.1を選んだのは、かなり腑に落ちるハナシだ。で、問題の車両はイギリスで買った新車に、現地でベッドキットをセット。趣味のサーフィンを楽しむ基地としての土台を万全とした。
日本に輸入してからはエアリフトのエアサスを組み、20インチ鉄ちんホイールとともに大胆なスラムドに! ブロックタイヤ&車高アゲ&ビードロック系ホイールという王道アウトドアスタイルにしなかったのにもワケがあって、なんでもヨーロッパのVWバン乗りたちはエアサスを組んだ状態でキャンプに出かけるらしく、日本のノリよりも〝あっちノリ〟に寄せていったんだとか。
パネルバンならではのシンプルさ、めっちゃ走る2Lディーゼルターボエンジン、乗りやすさ重視であえて選んだ右ハンドルなど、ベースへのこだわりも相当なもの。ベテランならではの会心の一撃に、もう全面降伏するしかないわ〜っ!
【画像9枚】注目ポイントラゲッジルーム。スキマがあるということは、それはエアサスを置く絶好のスペース!全貌はこちら!>>イギリスから日本に輸出する際、2週間ほど時間的余裕があったらしく、その時間を利用してオバーノってメーカーのベッドキットを取り付けてみた。上段がベッド、下段が荷物スペースになり、1200mmのスライドレール付きなんで荷物の取り出しが楽ラクぅ〜!
>>寝るときはこんなカンジに。一番右側の板を90度立てれば、キャビン側とリアゲート側を仕切ることもできる。また、板を支える足にも注目。床と接する面にカーブがかかっていて、床とケンカすることなくスルッと内側に潜り込めるんだわ。
初出:カスタムCAR 2022年9月号 Vol.527
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Base Car:2021年型 フォルクスワーゲン・トランスポーター6.1パネルバン
協力:
ガレージベース、ブラックバーンモータースポーツ