“手ごろな中古のプロボックスをリーズナブルにカッコよく♪”をテーマに、イマドキ路線とはまったく別ベクトルのアメカジカスタムで唯我独尊の美学を表した異色のプロボがここに見参!!
マットグリーンに日の丸を入れた零戦カラーに加え、ボディサイドにはあろうことかアメリカの戦闘機の“ノーズアート”であるシャークマウスをイン! 日米折衷のミリタリースタイルが放つ存在感は、デンジャラスな香りがプンプンだ。
バイナルグラフィックスによる大胆アレンジで初期型プロボックスバンを走るカミカゼアタックに豹変させたこの1台は、北海道は札幌の「
ダイレクトイグニッション」(D・I・D)のプロデュースカー。同店はモパーマッスル主体のアメ車屋として名を馳せるが、その傍らで国産車ベースの奔放USカスタムも大好物。見る者のド肝を抜く零戦仕様の外観は、日の丸や旭日旗などのボディアクセントを好みがちなUS現地の日本車オマージュカスタムに倣ったもの。それに同店流の拡大解釈&エンタメ的展開で、この形に落とし込んだってワケ。
コンセプトはアメリカ人が思い描くステレオタイプな“間違った”日本のイメージ。コレを確信犯的に妄想カスタムし、さらには“敵地で玉砕せず奇跡的に生還した幸運なる神風特別攻撃隊”という架空ストーリーのもと製作。エイジングも含めた内外装のディテールメイクに加え、ワイルドな外観に溶け込むスターシャークのホイールには意外にもオフ系のM/Tタイヤを奢るなど、一見ハズシのようでご当地北国でのストリートユースの理に叶ったチョイスであるのもコダワリだ。低予算で自在なカスタムを謳歌できるスニーカー感覚の2BOX商用車として、D・I・Dの独創的センスが発揮されたフィニッシュだ。
【画像8枚】内装のコンセプトは”戦闘モードでインテリアは大ダメージ!”。ダミーのトグルスイッチも付いておりあたかも本当に乗っているみたい!全貌はコチラ!>>零戦の宿敵である米軍機で象徴的なシャークマウスをあえて取り入れたのは、足元のコーリンプロジェクト復刻版「スターシャーク」にちなんだジョーク。
>>14×6JにマッドスターM/Tの165/65タイヤを組み合わせ、多少の悪路も走れる実用性もプラス。フロントグリルは取っ払いラッパを装着、ダミーであるフューエルタンクもセットした。
初出:カスタムCAR 2021年10月号 Vol.516
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Base Car:2008年型 プロボックス
協力::Direct Ignition、ガレージボーイ手稲店、スピンザイン、ウエルドクラフト、グラスラインサッポロ