【世界最速の200系!?】最高出力500psオーバーのモンスターハイエース

R35 GT-Rの心臓を持つハイエース。KUHLのフロントバンパーやエセックスのスーパーオーバーフェンダーなど、スタイリングは当時主流のフォルムを完成させている。

       
「どうせなら誰もやらないことを!」。そんな考えからこれまで数々のカスタムが進められてきたビタボン号。

そして行き着いた先が、あろうことか現行GT-Rに搭載されるVR38DETTをスワップするという大技。これまでもハイエースにエンジンスワップを行った例は数あれど、日本を代表するスーパースポーツの心臓部ともなると、そのパワーもケタ外れになることは間違いない。目指すは世界最速のハイエースなのである。

もちろんGT-Rとハイエースでは設計から構造、メーカーに至るまでまったく別物。しかも最新の電子制御がバリバリに入り込んでいるエンジンともなると、スペース確保やマウント新設といった物理的な載せ換え作業だけでなく、各制御系の変更など、膨大な作業が必要になってくる。こういった作業を担当したのは、D1マシンのチューニングなどでも実力を発揮するフナッツ。VR38チューンのスペシャリストが手がけているのだ。

エンジンスワップだけでも強烈なのに、極め付けはミッションの選択。GT-Rの純正はDCTのリアトランスアクスルを採用しているが、「クルマはMTで乗る」というこだわりから、ハイエース純正のG55ミッションにアダプターを介して組み合わせているのだ。もちろんMTだけでなく、リアトランスアクスルも流用するとなると、リア足回りやフロアの加工が必要になってくる。乗員数を確保するためには、ドライブトレインのGT-R化はそぐわないというわけだ。

現状ではセッティングまでは至っていない。とはいっても、素のGT-Rと同等と考えれば500psは固い。セッティングを完璧に仕上げ、暫定で600ps程度までは引き出す予定だとか。まさしく世界最速のハイエースも夢じゃない!

【写真10点>>世界最速!? のハイエースの全貌はコチラ!】


>>ハイパワーエンジンの搭載に負けないボディは、極太タイヤを収めるオーバーフェンダーやユーラスのGTウイングでスポーティさもアップ。


>>ニッサンの威信をかけて2007年に誕生したR35 GT-R。その心臓部分に収められているのがこのVR38DETTだ。年代や仕様によって違いはあるが、平均値を見ると、最高出力は500ps前後、最大トルクは60.0kg/㎠のパフォーマンスを発揮。チューニング界では2000psも実現する、日本最高峰のパワーユニットである。


>>比較的全長が短いV6ツインターボのレイアウトのため、オイルパン形状など位置決めもひと筋縄ではいかない。そのためデッキ後方をカットしながらフードの盛り上がりを広げるなど、大幅な加工でスペース確保が行われている。もちろんタービン回りやインタークーラーのパイピングなど、すべてを現物合わせのワンオフで作り上げる作り込みも行われている。


>>R35 GT-Rの心臓を持つハイエース。KUHLのフロントバンパーやエセックスのスーパーオーバーフェンダーなど、スタイリングは当時主流のフォルムを完成させている。


>>フロントバンパーは巨大なインタークーラーの冷却効率を確保するため大幅にカット。インタークーラー本体もGT-Rチューンでは定番とされるグレッディ製のGT-R用(タイプ29)を組み合わせている。


>>電子制御で動かされるVR38を通常稼働させるには、制御用のコンピューターが必要になる。フルコンのリンク・サンダーをセットすれば、点火やインジェクターなど各制御が行えるうえ、今後のチューニングも可能となる。


>>あくまでも合法チューンを前提に作られているため、キャタライザーやマフラーはGT-R純正を流用している。管長を合わせるためにリアオーバーハング部には複雑なレイアウトを施しているが、VR38の性能と消音声を重視した結果だ。


>>マフラー出口もGT-R純正を流用。排ガス/音量規制などもクリアできるというワケだ。


>>足元はT.S.Dスタイリングのエックストゥリー(19×10.5/11.5J)とグリップ力の高いアドバン・ネオバの組み合わせ。


>>大人6人が速く快適に移動できるサルーンを実現するインテリアは、6脚すべてをレザー張りのレカロ・スポーツスターに交換する贅沢さ。内張りやルーフライニングなども同様のレザーで張り替えられるゴージャス空間だ。

『カスタムCAR』2018年3月号掲載
BASE CAR:ハイエース・ナローボディ・バンDX 2016年型
SOURCE:VITABON
Special Thanks:FNATZ

PHOTO/佐藤亮太 TEXT/渡邊大輔

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