15Jのオーダーリムをブチ込むデ・トマソ・パンテーラ!

       
おそらく本誌じゃ最初で最後? と言ってもいいくらい激レアなケース、アラフォー世代が涙するスーパーカー、デ・トマソ・パンテーラが本誌に登場! しかし、ひと目このボディを目にすれば、ウルトラフェンダー特集はこのクルマのため! と断言してもいいくらい。その見事なまでのワイドっぷりを、ガッツリ拝んで頂こう。

さて、この1973年型パンテーラGTSは名古屋のハイパフォーマンスチューナー「リスキービジネス」の代表・岡田サンのプライベートカー。オバフェン&極太タイヤがササる世代の岡田サンは、フォード製のアメリカンV8を搭載するイタリア製の混血スーパーカーにその路線をダブらせた。そもそも新車当時から純正でオバフェンになってたモデルだけに、そのデザインを巧みにデフォルメしてやるだけでボリューム感は格段にアップ。カーボンファイバーで作り上げたオバフェンは、このGTSのさらに上をいくレーシング版のGT4を意識したもの。ビス留め装着の手法もオリジナルに忠実なスタイルだ。それでいて、当時からフロント10、リア13Jというワイドなリムをブチ込まれていたGT4を超えるボリューム感が圧巻なのである。

履かせたリムはアメリカの人気ビレットメーカー・イントロ社に特注したフロント18/リア19インチ。そのデザインはパンテーラ純正のスタイルに敬意を表して当時の純正ホイールを巧みに拡大、現代的なワイド&ラージ版としてるのがシブいところ。だけどリアの15Jという規格外の極太っぷりはハンパなし! そんな足元をもつクルマだから、各部のパーツもカーボン多用で軽量化を図ったうえに、室内はがっしり溶接したロールケージやスポット溶接でフル強化。アッパー側の取り付け部を高く移動してストロークを稼いだサスペンションや、低めの圧縮比でオールマイティーなパワーを引き出す5750ccのフォードV8エンジンで走りの方もケタ外れ。まさに“ロードゴーイングレーサー”と呼ばせてほしいハードコアっぷりだ。

ちなみに、オーナーの岡田サンはこのパンテーラを東海エリアきっての高速コース、伊勢湾岸道あたりで夜な夜なブッ飛ばしているハズ。こんなド迫力なスーパーカーが後ろについたら、誰だって喜んで道を空けてくれるハズ。お願いだから、優しく抜いてくださいねッ!

画像11点>>レアなデ・トマソ・パンテーラのカスタムカーの全貌!


>>このパンテーラはグループ4に参戦するGT4をモチーフに、GTSベースでワイドフェンダー化を図った1台。ちなみにGT4のホイールサイズは15インチのF/10J、R/13Jで、GTSは15インチのF/8J、R/10J。それをなんと、GT4をヨユーでぶっちぎるF/18インチの10J、R/19インチの15Jまでインチアップ&極太化! しかもディスク面はパンテーラ純正デザインをそのままに、アルミ削り出しでU.S. INTRO社にてフルオーダーしたというシロモノなのだ! さらにキャリパー&ローターはリスキービジネスオリジナルF/8pot+14インチ、R/6pot+12インチに交換し、制動力も大幅アップ!



>>オバフェン&フロントのスポイラーやリアのディフューザーなどで、イメージはスパルタンさが倍増。また純正GTSと比べ、ホイールは大幅にインチアップしているのだが、オリジナルのフルタップ車高調をセットすることで、ローフォルムをキープ。また、車高調の車体側アッパーマウントは上方へオフセット加工されている。




>>元々はリトラクタブルライトだが、エアインテーク付きのカーボンボンネットに換装したことと、電動ファンを新たに車体内側にセットしたことで、左右のライトをつなぐリンケージが干渉。そのためヘッドライトはリトラを廃し、デ・トマソ・マングスタをイメージした意匠にチェンジした。ちなみにヘッドライト外側はムーブからの流用、クリアカバーはポリカーボネイトで製作した。チンスポもワンオフだ。




>>極太リムとオバフェンの組み合わせにディフューザーをセットすることで、より男らしさが倍増! また、ディフューザー装着に伴い、エキマニの取り回しを変更、センター出しとした。ボンネット同様、軽量化を図ってエンジンフード&オバフェンはカーボン製だ。オバフェン取り付けは4mmステンレスボルトで装着、ゴールドアルマイト加工されたフジツボワッシャーはフェンダー4つで、計88個をセット!




>>ミッドシップとなるため、エンジンはシート後方のレイアウト。ドライブトレインは純正、フォード351C(通称クリーブランド)+ZFミッションの組み合わせ。キャブはホーリーの850ダブルポンパー、イグニッションコントローラーはMSD 6AL-2をセット。エキゾーストマニホールドはワンオフのステンレス製で、可能な限り等長とし、パワーロスを防ぐ取り回しに変更されている。





カスタムCAR2013年3月号掲載
BASE CAR:デ・トマソ・パンテーラ 1973年型
SOURCEリスキービジネス

PHOTO/早川俊昭

RECOMMENDED