【えっ?これがハイエース?】鉄と木で飾り立てられた超絶ワーキングVAN!!(前編)

       
プロは妥協を許さない。だから、いつやって来るか分からない万が一のトラブルのために、必要と思われる道具は1つ残らず現場に持っていく。しかも、それらがスムーズに使えるように置き場所も機能的に考える。もちろん、予備のパーツだって欠かしはしない。そして、仕事のクルマだからこそ、苦労をともにする相棒だからこそ、何から何まで自分好みに仕立てたいー。



そんなオトコのワガママをモレなく満たしつつ、赤の他人がみてもホレボレ&ウヒャーッなクルマを作らせることで「いいね!」を集めているのが、東京の鬼才集団“ストライカーズ”。これまでは木材を多用したナチュラル&カントリーなインテリアを推していたが、本作は得意のウッドにメタルの質感をグイグイからませた、近ごろのオシャレ家具にも似たテイストの200系ハイエースだ!



基本構造は、フロントシートの裏側と左右の壁側にウッドのベンチを設置。ここは座って休憩できるだけでなく、座面を取り外す際に便利な持ち手をフックとして使うことで、道具や商品の固定場所にも変身だ。フロアは木目調の店舗用クッション材を張ってあるんで、土足でガシガシ上がり込んでもキズで傷まないし、本物の木と違って「もったいね〜っ!」と心が痛むこともない(笑)。カベは内装をひっぺがしてムキ出しにした上で、リアルな溶接跡とか配線をそのまま魅せることにし、縞鋼板調のシート貼り+家具の滑り留めを流用した鉄ビス風アクセント、同社お得意のエイジングの乱れ打ちがハードなイメージに追い討ちをかける。



このハイエースのオーナーは、“空師”と呼ばれる木や緑のメンテが本業。山に入って木に登り、高所で作業するのが日常だ。なので、積み荷は木に登るためのロープに始まり、カットに使うチェーンソー、ナタ、ノコギリ、ハサミなどなど。それらをパパっと用意できるように超機能的な配置がなされているのは、仕事車として当たり前のこと。





そこから一歩も二歩も進んで、「休憩のとき、冷たいお茶が飲みたいハズ。だったら、ウォータージャグも付けましょー♪ 寝ながらスマホに触るよね? だったら枕元にコンセントも付けましょー♪ 電動工具のバッテリーは走行中に充電できるよーにしましょー♪」と、オーナーに頼まれる前から快適装備をモリモリ搭載。



しかも、市販品のポン付けで終わらず、いちいちエイジングやラベルの貼り替えといったアレンジにまで手を伸ばしたモンだから、1つ1つのクオリティがバカ高い、脅威の道具置き場兼休憩室が誕生したのだ。

>>【画像15枚】エンタメ空間の内装を詳しくご紹介!


【『カスタムCAR』2021年10月号掲載】

BASE CAR:ハイエース・グランドキャビン 2016年型
SOURCE:ストライカーズデザイン

PHOTO/南井浩孝

RECOMMENDED