エスカレード顔のスラムド・デューリーはUSショーカーに負けない作り込み!

       
壮絶な巨体をスラムドさせた、文字どおりの超大作! シボレーC3500っていうC1500の兄貴分、4ドアのクルーキャブ&ロングベッドを搭載するモデルをベースに、さらなるデカさを追求+スラムド、しかも本気モードで仕上げたショートラックが登場だ!

細部をチェックする前に、コイツに関しちゃ先にビルダー兼オーナーを知ってほしい。そのお人は、数々のトラッキンやローライダーで知られる茨城の、いや世界のコンチネンタルキングス柿下氏!「いや〜、2000年ごろにみたアメリカのスンゴいショートラックがぁ〜忘れられないんだよね〜」と熱く語る当人が、いつかは自分でも作りたい!と温めてきた夢を本気で実現させたのがココに紹介する1台なのだ。

で、主なメニューは「着地・延長・ラージリム」の三大至難ワザ。3500はトレーラー牽引などのヘビーデューティー仕様であるため、オトすのもデカいタイヤをハメるのも未知の世界。調べた結果、ワングレード下の2500シリーズの足をごっそり移植することでそれが可能になると判明。こんな巨体のチャネリングを筆頭に、アメリカにパーツを買いに行ったり壮絶な手間をかけているのだ。

さらなるデカさ感は、フレーム延長&ベッドの2コイチによるスーパーロングベッド化。ちなみにボディワークは同じく茨城のロックアップオートボディ・石上氏が担当。むろんキャンパーシェルも2個をツブして長く延長。おかげで22.5インチ改22インチのアルコア製リムもガッツリ収まるワイド&ローボディは、超ロングでもあるワケだ。都合8年半かけて、長年のあこがれだった1台を造ってしまうとは、夢を夢で終わらせない氏の有言実行のスピリットの表れ。男カキシタ、そのカスタム&スラムド魂にはほとほと感服致しました!


【画像11点】エスカレード顔のデューリーの全貌!



>>フロントマスクは初代キャデラック・エスカレードにチェンジ。コレは柿下氏が憧れた3500デューリーのショーカー「MEX UP」と同じだ。バンパーはGMCシエラ用を加工装着。エプロン部は車高ダウン時に地面と干渉するため、薄くカットされている。ミラーも同じくシエラ用に換装済みだ。



>>ショーカーらしく、左サイド、クルーキャブのドアはスーサイド化。合わせてドアハンドルも逆サイドへ移設することで、ご覧のような観音開きに。ボディ下部のサイドパネルは顔と同じく、初代エスカレード用を継ぎ足し加工して装着している。



>>足元には鍛造アルミホイール「アルコア」をセット。元々22.5インチだが、履かせるタイヤがないため22インチにマシニング加工でインチダウン。また、ディスク面のデザイン穴は、真円だったものを大きな楕円形に加工し直している。




>>ボディは12cmほどチャネリングしているため、フロアはご覧の通りかさ上げ状態に。ボディマウントもスライスしたおかげで、トータルで15〜6cmノーマルより低くなっている。また、シートレールも3〜4cmほどカットし薄くしている。この高さで電動シートもギリギリ稼動できる高さだ。




>>実はこのクルマ、エアサス車だが実はコンプレッサーもエアタンクもない。「コンプレッサーでエアが貯まる時間が待てない」との理由で、なんとベッド奥に窒素ガスのボンベをセット(!!) バルブは常に開けられ、ガスが充填されている状態だ。で、ベッド真ん中はステップノッチ避け&デフ避け&荷物スペースを稼ぐため、フロア部は斜めに盛り上げられている。




>>インナーフェンダーは完全ワンオフ製作。左下に見えるのは、エアのプレス/リターンをまとめるマニホールド。サイレンサー&スローダウン付きなので、エアを大気解放する際の「パシュパシュ」音もせず、ゆっくりした上げ下げも可能となった。また強度や耐久性を考慮し、ホースにはハイドロ用を採用した。




>>ベッドを延長しているためフレームはもちろん延長。ステップバンパーのステーも新設している。リム幅12Jのアルコア・ホイールを収めるべく、リアエンドはC2500用にごっそり交換。これによりリアエンドの全幅を狭めているというワケ。また、車高を落とすためロワー側ショックマウントはステーを下方へ延長。また、フレームはステップノッチ加工し、足回り方式はリーフから4リンクに変更済みだ。トレーリングアームは延長したキャデラック・ブロアム用で、鉄板をラップすることで強度を高めている。



ステップバンパーはシルバラード用をセット。ベッドが50cmほど延長されているため、併せてシェルも2コイチ合体延長されている。デューリーフェンダーはボディが下がった分、上方向に15cmほど延長加工。また、ノーマルより角ばったラインとなっている。ボディのステップを耳ナシとして、この着地っぷりを実現してる。



【『カスタムCAR』2013年2月号掲載】

BASE CAR:シボレー・C3500 1995年型

コンチネンタルキングス

PHOTO/渡部祥勝

RECOMMENDED

RELATED