湾岸特急★有紀姫丸 秀逸なレトロパーツを満載して'80年代にオマージュを捧げる

リア下周りは細めの角パイプを用いたリアバンパーと、左右に3連丸テールを配したシンプルルックでまとめている。

       


映画『トラック野郎』シリーズをこよなく愛するオーナーが駆る平ボディ車は、’80年代当時のスタイルを意識してアートアップを展開する美麗車だ。とりわけ豪快に飾り上げたキャブ周りは圧巻で、街道筋やイベント会場で一目置かれている。

キャブパーツの目玉となるのが、特大のシートキャリアだ。約1mの高さを誇り、ウロコステンレス素材の美しさもさることながら、計99発の角マーカーで構成した3段ハチ巻きも魅力十分で、ランドマークとして異彩を放っている。また、ボトムエンドに君臨するラッセルバンパーは、前面に組み合わせた名文句アンドンや、両脇に4発ずつ並べたナマズマーカーが見どころ。そのほか、前面にマーカーを流した平型バイザーや、菱チップをあしらった角おこしパイプ2本仕様のミラーステー、しぼりパイプを用いたハシゴなど、随所に個性的な大型パーツを多投し、他車の追従を許さない独自のスタイルを構築している。

このクルマのもう一つの魅力は、キャブ周りだけで15枚採用したアンドン群だ。シートキャリア前面には’80年代風の3枚レイアウトですずき工芸製のメインアンドン&名文句アンドンをセット。一方、バンパーやハシゴのアンドンは、アートトラッカーの弟さんや友人らと一緒にこしらえた自作の品で、デザインを「赤地+ミラー文字」で統一することにより、優れたトータルバランスを獲得している。

撮影後にも、荷台のアオリにラインペイントを流すなど、さらにスタイルを進化させてきた同車だが、残念ながら現段階で廃車の可能性が濃厚に。「これが最後の勇姿になりそうです。飾りに理解を示してくれた妻に感謝したいです」と橋本さん。

【写真6点】豪快に飾り上げた圧巻なキャブ周り。

カミオン2010年3月号トップアートをもとに再構成

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