昔見た真っ黒いダンプに憧れ、いつかは自分もあんなダンプで仕事がしたいと思い続けていた。その熱い思いが遂に結実し、迫力満点のアートダンプを完成させた。濃紺で統一されたその姿は静かなる迫力をたたえ、見る者を威圧する雰囲気さえ漂わせている。
とにかく単色塗りに徹底的にこだわった。コーナーパネルや寝台など、メッキを使いたくなる部分も濃紺で統一。あえてキャブ周りにもメッキパーツを配置しなかった。ただ1か所の例外としてグリルにのみメッキを配置し、フロントマスクに絶妙なアクセントを加えている。
そしてバイザーやミラーステー、舟型バンパーと、配置された大型パーツもすべてボディ同色で統一。さらにコンビネーションするアンドン類をすべてホワイトで統一し、色彩を徹底的に排除。モノカラーの持つ魅力を最大限に引き出している。 ダンプ最大の見どころといっていいプロテクトップも、やはり濃紺一色。電飾は3段とし上段はマーカー、中下段は白のカラーパネルを選択。サイドにはスリットを入れてデザイン性豊かな仕上がりとしている。そのプロテク前面には、エアブラシ平山がガンを握ったペイントをフィーチャー。しかしこのペイントもやはりモノトーン。迫力ある龍虎は、この巧みな演出でさらに迫力を増しているように感じられる。
フロントマスクの迫力に気をとられ見逃しがちだが、実はリア周りも完成度はかなりのモノ。ケツブタ下方のテールボックスには10連、バンパーには4連でダイヤモンドテールを並べて、さらにリアバンパーにはサイドにスリットを入れた凝った作りとしている。リアに回っても、その迫力はやはり一級品といえる。
【写真6点】見る者を威圧する雰囲気をまとう。カミオン2010年7月号トップアートをもとに再構成