スーパーグレートのベコ車をこだわりいっぱいのパーツで飾った。ベコ車という仕事柄悪路を走る機会も多く、前後に大きく張り出したパーツは採用しづらいとのこと。それだけに全体のバランスを重視し、スマート&スタイリッシュなアートを実現している。
そんななかで、圧倒的な存在感を披露しているのがキャデラックバンパー。しかしここでも出幅を抑え、その代わり厚みをたっぷりとったデザインを採用。60㎝のサイズを生かし、サイドにはナマズマーカーを4発並べた。タイヤのラインに沿って美しいRを描くサイド部分にみられるように、細部にわたる作りの良さが感じられる逸品だ。
トップパートに設置された平型バイザーはキャデラックバンパーと出幅がそろえられ、キャブ周りに美しいバランスを生み出しているのは、長いキャリアと抜群のセンスによる高等テクニックといえるだろう。また、花商が手がけたアンドン板の数々には虎党を思わせる文句を刻んでおり、全国を駆けるベコ車にしては実にユニークだ。
さらにテーパーデザインを採用したリアフェンダー、それに合わせて斜めにカットされたサイドバンパーなど、ディテールへのこだわりはハンパではない。リアセクションを飾るバンパーも、R部分にマーカーを埋め込む高度な加工を採用。一切の妥協なく理想のアートスタイルを追求している。
【写真6点】茨城のデコベコ車。カミオン2011年11月号トップアートをもとに再構成